研究課題/領域番号 |
19K08222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鈴木 博元 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (00707648)
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研究分担者 |
大江 一弘 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (90610303)
佐々木 一郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主任技術員 (60817477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 標的α線治療 / アスタチン-211 / 腫瘍低酸素部位 / ニトロイミダゾール / 放射性ヨウ素 / ネオペンチル構造 / α線 / 腫瘍低酸素領域 / 脱ハロゲン / ネオペンチル / 放射性医薬品 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞殺傷効果の高いα線を用いるがんの核医学治療薬剤開発が盛んに行われており、従来の治療法では効果が不十分であったがんへの治療効果が期待されている。本研究の目的は、放射線抵抗性を示すことが知られている低酸素状態の腫瘍に対して、α線による核医学治療を実施し、その有効性を検証することである。そこで、α線放出核種の一つであるアスタチン-211を分子内に有する薬剤を設計・合成し、低酸素状態の腫瘍に対する治療効果を評価する。
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研究成果の概要 |
211Atは局所的に非常に高いエネルギーを与えるα線を放出することから、211At標識薬剤では、従来の放射線治療に対して抵抗性を示す腫瘍低酸素領域に対して治療効果が期待できる。しかし、これまでは211Atを安定に結合できる手法が限られており、低酸素領域特異的に集積するニトロイミダゾール誘導体の標識に適した標識法が存在しなかった。本研究では、我々が開発した新規標識法を用いることで、生体内安定であり、かつ腫瘍低酸素領域特異的に集積する211At標識ニトロイミダゾール誘導体を開発した。しかし、腫瘍集積量を改善する必要性が認められ、今後更なる構造最適化が必要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
α線は従来の治療に対して抵抗性を示すがんに対しても有効な治療効果が期待できる放射線である。従って、α線を放出する放射性核種を結合(標識)した薬剤を選択的にがん細胞に送達することができれば、非常に有効な薬剤となり得る。α線放出核種の一つ211Atは薬剤開発への応用が期待されているが、211Atを安定に結合することが困難であることから、有効な治療薬剤開発が制限されていた。本研究では、様々な化合物に対して211Atを安定に結合する基盤技術を構築し、腫瘍低酸素領域を標的とする薬剤へ応用した。今後本基盤技術を利用することで、腫瘍低酸素領域以外にも様々な211Atを使用する薬剤開発への貢献が期待できる。
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