研究課題/領域番号 |
19K08232
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
歳藤 利行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (30377965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 陽子線治療 / スキャニング照射 / 膵癌 / スキャニング / 治療計画 / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性癌の代表である膵癌の治療成績向上を目指して、最新の陽子線照射技術であるスキャニング照射を用いた治療方法を開発する。4次元コンピュータ断層撮影の画像情報を利用することにより、呼吸による膵臓および周辺の臓器の動きを考慮して、膵臓への線量を最大限に集中させ、かつ周辺の臓器への線量を有害事象が発生しない程度におさえるための計算手法を開発し、コンピュータシミュレーションの手法により性能を評価する。
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研究成果の概要 |
陽子線による膵癌の治療成績向上を目指して、4次元CT画像を使った呼吸性移動を考慮した強度変調陽子線治療(IMPT)の治療計画の最適化アルゴリズムを開発した。BFGS法を採用し、C++言語によるコンピュータプログラムとして実装した。プログラムの性能は水ファントムを模擬した数値ファントムデータを用いて検証した。スポットの重みを逐次的に最適化していく過程において、わずかな時間の変化が線量分布に大きな変化を及ぼし、最適化計算の収束性に限界があることが分かった。 また、本研究に関連して粒子線治療における呼吸性移動対策と適応放射線治療の現状を調査し報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は、がん治療が進歩した現在においても難治性癌のひとつであるが、これまでのブロードビーム法を用いた粒子線治療においても、X線治療と比較して肝、腎、脊髄などの有害事象を低減させることが可能で、比較的良好な治療成績が示されている。局所制御率の向上にはさらなる線量増加が望まれるが、胃、小腸など腫瘍に隣接した直列臓器の有害事象がそれを困難にしている。本研究の成果によりインタープレイ効果の課題を克服し、呼吸により動く膵臓の腫瘍に対しても線量集中性に優れたIMPTを適応することができれば、有害事象を増加させることなく腫瘍への線量増加が可能となり、治療成績の飛躍的な向上が期待できる。
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