研究課題/領域番号 |
19K08233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
赤澤 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50547784)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 低出生体重児 / 発達予測 / 画像バイオマーカー / 拡散尖度画像 / 出生体重児 / 拡散テンソル画像 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の新生児医療の進歩と低出生体重児の出生率の増加により、低出生体重児の発達予後が大きな問題となってきている。主要神経学的障害を合併しない児であっても、学童期に行動異常や学習障害などの頻度が高いことが指摘されており、早期介入の重要性への認識が高まっている。 本研究の主たる目的は、最新の技術を用いて作成された新生児期の脳の神経線維の統合性や、自動抽出された約160の脳領域の微細構造の変化を、MRIの拡散テンソル画像、およびその拡張手法(拡散尖度画像など)を用いて捉えることにより、介入の必要性の高い児を同定する定量的画像バイオマーカーを開発し、継続した支援や長期予後の改善につなげていくことである。
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研究実績の概要 |
低出生体重児において、早期介入の必要性の高い児を同定するための画像バイオマーカーの候補として、脳細部単位の微細構造の変化の検出に着目した。微細構造のパラメータとして拡散強調像から得られるみかけの拡散係数とともに、拡散テンソル画像から得られるfractional anisotropy(FA)、axial diffusivity、radial diffusivityのほか、拡散尖度画像(diffusion kurtosis imaging)から得られるmean kurtosis (MK)、axial kurtosis、radial kurtosisを用いた解析を計画している。 画像解析の準備として、DICOMデータから拡散尖度画像を複数のクリックで一気通貫に画像処理ができるパイプラインの作成を自施設にて行い、作業効率およびミスの低減につながるセットアップを行った。 本年度も継続して低出生体重で生まれた児において修正40週の時点を目安に、脳MRIの撮像を行った。COVID-19の蔓延によりデータ取得の開始により症例数の集積が遅れているものの、現在48症例のデータを取得している。さらに修正1歳程度での2回目の脳MRIの撮像も10症例と蓄積してきている。また1歳半時を目安に新版K式発達検査2001も現在7症例において実施されている。 得られた拡散強調画像から160に及ぶ脳の解剖学的単位(Parcellation map)の作成をアプリケーションROIEditorおよびDiffeoMapを用いて行い、微細構造のintegrityを評価するためのFa値、trace 値、MK値などを取得する作業を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成31(令和元)年度より、低出生体重児の修正40週におけるDiffusion Kurtosis Imaging(DKI:拡散尖度画像)を撮像していく予定であった。しかしながら、本学附属病院の周産期NICUの病棟改修工事に加え、COVID-19のパンデミックにより、第一種感染症指定病院である当施設は、新型コロナウイルス感染患者の受け入れのため、NICUの稼働制限も行われた。このため症例登録の開始が遅延し、症例数の蓄積が遅れているが、現在は予定通りのペースでデータの集積が行われている。
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今後の研究の推進方策 |
低出生体重児のデータ取得を継続していく。さらに各症例のParcellation mapの作成を順次行い、各種パラメータの算出を実行する。最終的に検討可能な出生時の在胎期間や出生時体重と各種パラメータの関係を検討する。 周産期診療部の医師とは良好な研究協力体制を確立しており、定期的なミーティングを行い、円滑に研究を進めていく。
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