研究課題/領域番号 |
19K08241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
岡村 敏充 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 先進核医学基盤研究部, 主任研究員 (80443068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PET / チオシアン酸イオン / 脳 / 排出システム |
研究開始時の研究の概要 |
身近な食品等の摂取により、生体内では毒物としてよく知られるシアン化物イオン(CN-)が生成されるが、CN-はさらに代謝を受けチオシアン酸イオン(SCN-)となる。SCN-は神経障害を引き起こす中枢毒性を持つため、脳にはSCN-を排出することでSCN-の脳内濃度を低く保つ機構が存在すると考えられているが、その実体は未だ不明である。従って、SCN-排出能の非侵襲的な測定およびその排出機構の解明はSCN-の中枢毒性の評価に大きく貢献すると考えられる。そこで、本研究では脳からのSCN-排出速度を非侵襲的に定量測定するための方法を開発する。
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研究成果の概要 |
脳内のチオシアン酸イオン(SCN-)の排出システムを定量的に測定することができれば、SCN-の毒性の評価や脳疾患の病態解明に貢献することが期待される。本研究で開発した6-[11C]thiocyanatopurine誘導体([11C]TP)は、血液脳関門を通過後、脳内で[11C]SCN-に速やかに変換された。また、脳からの[11C]SCN-の排出速度は阻害剤により投与量依存的に減少することが明らかとなった。以上、[11C]TPを用いることによって、脳内のSCN-の排出速度を非侵襲的・定量的に推定することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発されたトレーサを用いることによって、脳内のSCN-排出速度の測定が可能となった。これにより、脳内にSCN-を直接投与することなく、SCN-排出システムがどのように機能しているかを定量的に評価できるようになった。今後は、SCN-排出能に対する環境汚染物質の影響や、脳疾患におけるSCN-排出能を定量評価することで、脳の防御機構や病気の発症機構の解明につながることが期待される。
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