研究課題/領域番号 |
19K08242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
岸本 理和 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, QST病院, 課長 (00312364)
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研究分担者 |
菅 幹生 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (00294281)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | エラストグラフィ / 超音波 / MR elastography / US elastography / dispersion slope / shear wave speed / shear wave elastography / 粘弾性 / 超音波エラストグラフィ / MRエラストグラフィ / 硬度バイオマーカ / 粘性 / 肝硬度 |
研究開始時の研究の概要 |
磁気共鳴(MR)や超音波(US)装置で非侵襲的に生体の硬さを測るエラストグラフィが可能となり、臨床でも広く利用されている。生体組織は粘弾性体であるが、これまでUS装置では粘性成分の測定が困難であった。これに対し近年、粘性と正の相関を持つ新しい硬度バイオマーカであるDispersion Slope(DS)が測定可能となっている。 この新たな硬度バイオマーカDSの妥当性や再現性を、粘弾性ファントム及び健常ボランティアの肝を対象とし、MRエラストグラフィやレオメータで得られる粘性と比較することで評価する。これによりこの検査法の信頼性がどの程度かを理解した上で臨床に応用することが可能となる。
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研究成果の概要 |
超音波を用いた簡便で非侵襲的な肝疾患の診断は広く臨床で行われている。肝臓は粘弾性の性質を持つ組織であり、エラストグラフィで弾性は剪断波伝搬速度で表され、線維化を示すとされ、粘性はdispersion slope(DS)で表され、炎症の程度を示しているとされている。今回我々はDSの値の妥当性を粘弾性ファントムを用いて検証した。その結果、MRIで得られるDSは粘性を適切に表していると考えられたが、超音波で得られるDSは弾性の影響が大きく、純粋に粘性を表しているとは考えにくいという結果が得られた。超音波DSを用いて肝疾患の診断を行う場合には、注意が必要と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メタボリック症候群に起因する慢性肝疾患が世界的に増加する中、画像バイオマーカを用いた肝疾患の診断が広く臨床で行われるようになり、肝生検といった侵襲的な検査を置換しつつある。しかし、装置や検者によって得られる測定値が異なることも経験され、その数値の妥当性や再現性に関する検証は充分行われていない。今回我々は粘性を表すdispersion slope(DS)の検証を行い、MRIによる粘性の評価は妥当性があるが、超音波による粘性の評価には問題があるという結果を得た。超音波DSに関する論文は多く発表され、肝疾患の診断にも使われているが、その数値の意義は慎重に考える必要があると思われた。
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