研究課題/領域番号 |
19K08255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
盛武 浩 宮崎大学, 医学部, 教授 (40336300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 骨肉腫 / ユーイング肉腫 / 転移 / RNAシーケンス / FAK / IGF-IR / 肺転移 / 骨原発悪性腫瘍 / 転移抑制 / インテグリン |
研究開始時の研究の概要 |
骨肉腫およびユーイング肉腫(ES)は小児・若年成人に多い骨原発悪性腫瘍であるが、転移例の予後は極めて不良でその対策は急務である。 申請者はFAKとIGF-IRの二重チロシンキナーゼ阻害剤を用いることで骨肉腫およびES細胞の増殖、転移能を抑制することを明らかにしたが、その機序については明らかになっていない。 本研究ではxenograftおよびPDX(Patient-derived xenograft)モデルを用いて 1)小児骨原発悪性腫瘍の転移能を有する細胞分画の同定とFAK活性の評価 2)転移を制御する上流分子の同定とFAK阻害療法の開発 を行い、転移阻害剤として臨床応用するための基礎研究を行う。
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研究成果の概要 |
ユーインク肉腫においてFAKとIGF-IRの二重チロシンキナーゼ阻害薬TAE226により非常に高い転移抑制効果を見出し、分子生物学的にその機序を証明した。既存の抗がん剤の相乗効果も確認し論文報告した。次に骨肉腫の転移機構を解明するために、骨肉腫細胞株143Bの肺転移マウスモデルを確立し、骨肉腫患者2名の原発巣と肺転移巣とあわせてRNAを抽出した。2つのモデルで共通して肺転移巣で高発現の上位10個の各遺伝子欠損細胞株を樹立し、免疫不全マウスの脛骨に接種した。接種後4週目のCTと病理学的評価により、1遺伝子に肺転移縮小効果を認め、骨肉腫における肺転移促進遺伝子の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨原発腫瘍の転移例に対する治療成績の向上は認められていない。今回ユーイング肉腫で見出されたFAKとIGF-IR抑制による転移抑制メカニズム解明は、Novartis社の同薬剤TAE226の開発中止決定は誠に残念であるが、別のルートから臨床応用に繋がっていくことに期待したい。骨肉腫に関しても既存の化学療法の組み合わせでは限界があり、病態メカニズムからアプローチする新規薬剤に期待が集まる。本研究により、現在候補として再現性を確認している遺伝子が標的遺伝子として確定すれば、創薬に繋がり骨肉腫転移症例の予後改善に期待できる。
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