研究課題/領域番号 |
19K08257
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
桑原 康通 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30590327)
|
研究分担者 |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30291587)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | SWI/SNF複合体 / RUNX1 / SNF5 / ラブドイド腫瘍 / スーパーエンハンサー |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト腫瘍の発生には一般に複数のゲノム遺伝子変異の蓄積を必要とするが、悪性ラブドイド腫 瘍(MRT)は、ゲノム上ただ一つの遺伝子変異(SNF5遺伝子変異)によって発症する。SNF5欠損による転写制御機構を明らかにし、MRTの腫瘍発生のメカニズムの解明に寄与するだけでなく、この予後不良小児悪性腫瘍の克服に向けた基礎的知見を集積し、分子メカニズムに基づいた新規治療法の可能性を提示することを目指している。
|
研究成果の概要 |
悪性ラブドイド腫瘍(MRT)は、SNF5遺伝子の単一変異によって発症するが、DNAのメチル化状況によってTYR、SHH、MYCの3つのsubgroupに分類される。転写因子RUNX1はMYCのエンハンサー領域で結合し発現調節するが、SNF5欠損によりRUNX1の機能が変更され、MYC遺伝子の発現に影響しMYC subgroupが発生すると推察した。MRT細胞株でSNF5とRUNX1を共に発現させると、MYC mRNAとタンパク発現量の低下傾向を認めたが、SNF5、RUNX1単独では影響しなかった。RUNX1はSNF5の存在下でMYC遺伝子の発現を制御する可能性があるが、さらに検討が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性ラブドイド腫瘍(MRT)は、SNF5遺伝子単独の変異によって発症する腫瘍であるが、DNAのメチル化状況の相違によってMRTはサブグループ化し、腫瘍発症における分子機構には不明な点が多い。SNF5はSWI/SNFクロマチンリモデリング複合体のコアサブユニットであり、この分子を欠損する不完全なSWI/SNFΔ複合体はエンハンサーを介した遺伝子発現制御の異常をもたらす。我々はSWI/SNF複合体が造血系転写因子RUNX1と機能協調することを手がかりに、SNF5欠損によるMYC発現への影響を解明した。MYC subgroupの発生機構にせまる研究であり、MRTの病態解明に貢献するものと期待される。
|