研究課題/領域番号 |
19K08267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
中西 圭子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 障害モデル研究部, 客員研究員 (50280813)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 臍帯血幹細胞 / 移植再生医療 / 周生期脳障害 / 白質損傷 / コンドロイチン硫酸 / 周産期脳障害 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児にとって最も安全に移植可能である臍帯血幹細胞は、新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)の新規治療法として期待されているが、どのような分子機序で症状改善に至るかについては未だ明らかではない。また、早期産児の脳室周囲白質軟化症(PVL)に対する臍帯血幹細胞の有効性も不明である。本研究では、HIEモデルラットにGFPトランスジェニック(TG)ラット臍帯血幹細胞を移植するという同種移植系を用いて、臍帯血幹細胞がどのような機序で脳損傷軽減効果をもたらすのか?白質損傷にも有効なのか?について検討する。
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研究成果の概要 |
新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)モデルラットにラット臍帯血幹細胞を移植すると脳障害が軽減する。移植したGFP-TGラット由来臍帯血幹細胞をラット生体内で追跡し脳障害軽減機序解明を試みた。移植した幹細胞は脾臓周囲結合組織で数多く観察され、一部はLYVE1(+)細胞に分化した。日齢2にRice-Vannucci model処理したラットでは明らかな梗塞巣は観察されず、白質損傷モデル確立には検討が必要と考えられた。臍帯血幹細胞の糖鎖組成について検討し、へパラン硫酸(HS)に比較しコンドロイチン硫酸(CS)糖鎖が多いこと、CS糖鎖分解酵素処理によりコロニー形成細胞の割合が減少することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新生児低酸素性虚血性脳症(HIE)は現在もなお、脳性まひの主な原因の一つである。臨床では低体温療法が行われているが重症例に対する効果は乏しく、神経後遺症の克服のために幹細胞療法など新規治療法の開発が急務である。臍帯血は、造血幹細胞や間質性幹細胞などの組織幹細胞を含んでおり、骨髄採取が困難な新生児にとって最も安全かつ臨床応用しやすい幹細胞源である。臍帯血幹細胞移植による脳障害軽減効果は数多く報告されているが、幹細胞の特徴については未だ不明な点が多い。本研究で、梗塞軽減機序や幹細胞の特徴が明らかになれば、臨床研究のさらなる進展や効率的な移植方法の開発につながることが期待できる。
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