研究課題/領域番号 |
19K08268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
高橋 悟 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (10431404)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グルコーストランスポーター1 / てんかん / 知的障害 / 運動障害 / 治療 / 既承認薬 / ドラッグリポジショング / グルコーストランスポーター / GLUT1欠損症 / ハプロ不全 / 治療薬 / 既承認薬ライブラリー / レポーター遺伝子 / スクリーニング / ケトン食療法 / 創薬 / ドラッグ・リポジショニング / GLUT1 |
研究開始時の研究の概要 |
グルコーストランスポーター1(GLUT1) の機能不全は、血液脳関門を介した糖輸送を低下させ、脳内エネルギー不足に起因する多彩な神経症状の原因となる。GLUT1欠損症では、ブドウ糖に代わるエネルギー源としてケトン体を供給する食事療法が行われる。しかし、糖質・炭水化物を制限し脂質を多く摂取するケトン食療法を継続することは 容易ではなく、GLUT1発現量を増加させる治療薬の開発が望まれている。そこで、安全性と 体内動態が十分に証明されている既承認薬ライブラリーから、治療薬を探索することを計画した。
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研究成果の概要 |
中枢神経系のエネルギー源であるブドウ糖は、血液脳関門ではグルコーストランスポーター1(GLUT1)を介して受動的に輸送される。GLUT1欠損症は、GLUT1遺伝子のハプロ不全により発症し、ブドウ糖が脳内に取り込まれないことにより生じる代謝性脳症であり、てんかん、知的障害、運動障害など多彩な神経症状を呈する。本症に対する有効な治療薬はない。我々は、安全性と体内薬物動態についての知見が蓄積している既承認薬の中からGLUT1発現増加を示す薬物を探索し、候補薬として3薬剤(プロテアソーム阻害薬、HDAC阻害薬)を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GLUT1遺伝子を過剰発現させた遺伝子改変動物では、糖尿病性腎障害に類似した病理所見を呈したことから、GLUT1遺伝子の発現量は厳密に制御される必要があると考えられている。遺伝子発現量を制御できない遺伝子補充治療では、糖尿病様血管障害を引き起こすリスクが懸念される。また、治療標的である脳血管内皮細胞は分裂能を有しており、反復投与のできない治療法では、治療効果の持続性に疑問が残る。本研究で同定された薬剤は、長期にわたり臨床で使用されている実績のある薬で、薬物動態や注意すべき副作用についての知見は蓄積している。有効性が確認されれば、GLUT1欠損症への適応拡大を目指す臨床治験が可能と考える。
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