研究課題/領域番号 |
19K08283
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
村井 法之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60300927)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 神経芽腫 / MYCN / アンチザイム / ユビキチン非依存的分解 / プロテアソーム / がん細胞増殖抑制 / 神経芽細胞腫 / ポリアミン / がん細胞増殖 / ユビキチン非依存的タンパク質分解 |
研究開始時の研究の概要 |
神経芽腫は、小児固形がんの中で脳腫瘍に次いで多いがんであり、日本では毎年約300人が新たに発症している。神経芽腫の予後を左右する生物学的特性において最も強力な生物学的因子としてがん原遺伝子産物MYCNが知られている。MYCN遺伝子の高発現しているハイリスクタイプの神経芽腫には、一般的な抗がん剤は効果がない場合が多く、新規分子標的薬の開発が待たれている。 我々が発見した「AZ2を介するMYCNのユビキチン非依存的に分解促進機構」の詳細を、生化学・分子生物学的および構造学的解析により明らかにしハイリスクタイプの神経芽腫に効果のある薬の開発へつなげるための研究である。
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研究成果の概要 |
神経芽腫は希少がんではあるが、患者の6割程度は転移となり、5年生存率は40%と予後の悪い疾患である。神経芽腫では予後不良因子としてがん原遺伝子産物MYCNが知られている。 本研究において申請者は、アンチザイム2(AZ2)タンパク質が介するMYCNの新規分解経路を見いだし、その詳細を解析しAZ2が発現しないと細胞レベルでは、MYCN増加に伴って増殖が亢進し、マウス個体では腫瘍形成が増大することを見出した。さらに遺伝子発現解析および代謝解析によってAZ2の発現がMYCNを分解とがん細胞増殖抑制に関連していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンチザイム2(AZ2)タンパク質が、神経芽腫の最も強力なリスクファクターであるがん原遺伝子産物MYCNをユビキチン非依存的に分解促進する新規経路を発見しその詳細について解析した。神経芽腫の細胞のAZ2発現を抑えると(ノックダウン)、MYCNが増加し細胞増殖が亢進すること、AZ2をノックダウンしたがん細胞をマウスに移植すると、ノックダウンされていない細胞に比べて明らかに腫瘍形成が増大したことから、AZ2がMYCNを分解促進することによってがん細胞の増殖を抑制できる可能性を見いだした。このことを利用して、神経芽腫においてMYCNをターゲットとした新規分子標的薬開発への展開が期待できる。
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