研究課題/領域番号 |
19K08285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
石原 尚子 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (30393143)
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研究分担者 |
稲垣 秀人 藤田医科大学, 医科学研究センター, 講師 (70308849)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウエスト症候群 / 網羅的遺伝子解析 / 三次元タンパク解析 / West症候群 / タンパク3次元構造解析 / タンパク構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ウエスト症候群は乳児期に発症する重度のてんかん性脳症のひとつである。一般的な予後は不良で、重度知的障害を残すことが多いが、一部の症例は早期治療介入により著明な発達予後の改善が期待できることが知られている。しかし、同一施設における臨床的評価および治療介入は均一であるにもかかわらず、その予後は症例ごとに大きく異なることから、ウエスト症候群の予後決定因子として基礎病態が大きく関わっていることが推察される。 本研究では、ウエスト症候群の病因をより詳細に評価することで、各症例に応じた適切な治療プロトコルの選択を可能とすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
ウエスト症候群は主に乳児期に発症する予後不良なてんかん性脳症であり、その疾患多様性は幅広く、予後も様々である。本研究ではウエスト症候群およびその類縁である難治性てんかん性脳症を対象として網羅的遺伝子解析にて候補遺伝子を絞り込み、その病態解析をすすめるものである。 2023年度は新規のウエスト症候群2例および類縁するてんかん性脳症2例(兄妹)の解析を行い、原因遺伝子の同定をおこなった。ウエスト症候群の1例は画像異常を伴わないタイプであり、シナプス関連タンパクやチャネルを構成するサブユニットをコードする遺伝子パネルを用いたターゲットエクソーム解析を施行中である。また1例は、結節性硬化症類似の表現型を呈しているものの末梢血から抽出したDNA解析にてTSC1/TSC2遺伝子に病的変化を認めなかったため、腫瘍病変から抽出したDNAを用いてターゲットエクソーム解析を施行中である。てんかん性脳症の兄妹例においては網羅的遺伝子解析にて抑制系interneuronに関与するタンパクサブユニットをコードする遺伝子を候補に挙げ、表現系との関連について検討中である。これらの臨床像と遺伝子変化については2024年度の学会にて報告予定である。今後、遺伝子変化に伴う三次元タンパク構造解析を行ない、病態への関連性を解明していく予定である。新規遺伝子の同定及びその機能と病態への関連性を解明することは、将来的な治療法の開発や予後の改善へ向けて必要なステップであり、研究を推し進める価値があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
次世代シーケンサー解析費用について、前年度の解析症例や他の研究検体と同時に解析を行ない、当初予定している金額を下回ることになった。West症候群をはじめとするてんかん性脳症の発症はCOVID-19の影響を受けず、臨床評価は随時行なっており、助成金は、現在進行形の病態解析費用に充てる予定である
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今後の研究の推進方策 |
網羅的遺伝子解析にて兄妹例の病因遺伝子候補が挙がっている。今後は、病態への関連性も含めて解析を進めている。 1. 臨床検査データの集積と、原疾患別の治療経過および予後の評価を行なう。 2. 網羅的遺伝子解析実施例に対する臨床データと候補遺伝子のマッチング作業 3. 候補遺伝子の絞り込みが行なわれた症例について、その病態解析をすすめる。 本研究はCOVID-19の影響をうけて遅延しており、研究期間の延長を申請している。今後は研究結果のまとめを行なっていく予定である。
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