研究課題/領域番号 |
19K08287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
辻 章志 関西医科大学, 医学部, 准教授 (00360256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 微小変化型ネフローゼ症候群 / puromycin / 8-OHdG / 酸化ストレス / 8-OHdG / dysbiosis / MCNS / PAN / Lipopolysaccharide / 腸内細菌叢 / 制御性T細胞 / 酪酸産生菌 / CD80 / 腸管免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
小児期に多い腎疾患である「微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)」の病因は未だに不明である。近年、腎糸球体上皮細胞の足突起においてCD80が過剰に発現することでアクチン骨格の構造変化を来たし、タンパク尿が漏出すると考えられている。CD80の発現は制御性T細胞(Treg)により制御されることが知られている。申請者らはMCNSの発症時のTregに着目し研究した結果、発症時にTregが低下していることを証明した。今回Tregが低下している原因を究明するために腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)に着目し、MCNSモデル動物を用いた基礎実験で証明することを目的として研究計画を立案した。
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研究成果の概要 |
MCNSの初発や再発においては、腸内細菌叢の異常が病因として重要な役割を果たしているという仮説を証明することを目的として研究を進めた。4種類の抗菌薬内服により腸管内をほぼ無菌状態にした時のPAN投与ラットの尿タンパク量について評価をした。当初、尿タンパク量は対照と比較して高値となることを予測していた。結果は逆に尿タンパク量が低値となっていた。この原因として4種類の抗菌薬の投与により酸化ストレスと関連する腸内細菌が殺菌される結果、PANラットの尿タンパクが減少したと考えた。そこで酸化ストレスマーカーである尿中8-OHdGを測定した結果、4種類抗菌薬内服前後では8-OHdGが有意に低下していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児ネフローゼ症候群の第一選択薬は副腎皮質ステロイド薬である。副腎皮質ステロイド薬の投与により約90%が寛解となる。しかし、約60~70%が再発をきたし、再び副腎皮質ステロイド薬の投与を必要とする。副腎皮質ステロイド薬の副作用は多岐にわたるが、特に小児で問題となる低身長は治療終了後も改善しない。そのため、副腎皮質ステロイド薬の総投与量をできる限り減少することを目的として様々な治療法が考案されている。今回の報告者らの結果により抗菌薬投与がネフローゼの一つの治療法として確立すれば副腎皮質ステロイド薬の総投与量減少が期待され社会的貢献は大きいと考える。
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