研究課題/領域番号 |
19K08300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山田 健治 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (70624930)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脂肪酸代謝異常症 / VLCAD欠損症 / CPT2欠損症 / IVPアッセイ / グルタル酸血症2型 / in vitro probe assay / FAO flux / 脂肪酸代謝能 / ペマフィブラート / 酵素活性 / タンデムマス分析 / 予後 / 重症度 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪酸代謝異常症は細胞のエネルギー不足から重篤な低血糖や突然死を呈するような遺伝性の病気である。現在は生まれた直後に診断されるようになったが、中には生涯発症しないと思われるような無症候例も見つかる。遺伝子解析や酵素活性と言った従来の方法では、本当に生涯に渡って発症しないのか、発症するとしたらいつ頃なのかを予測することが出来ず、無症候例と推測されても厳重な治療が行われている。 本研究では、当研究室に保管してある患者由来の細胞を使って、酵素活性よりも詳しく脂肪酸代謝能を分析する方法の確立を目指している。この方法で、正確に無症候例を鑑別出来れば、過剰な治療が不要となり、患者の負担や医療費が軽減される。
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研究成果の概要 |
脂肪酸代謝異常症は飢餓や発熱を契機に突然死するような病気だが、実際にはほとんど無症状の患者も多く見つかる。本研究の目的は患者から採取した細胞を用いて、重症例と軽症例を見分けることで、患者の重症度にあった管理方針を検討することである。培養温度や基質の種類・濃度といった細胞培養条件を変えたり、ATP産生や種々の脂肪酸代謝能評価法を用いて、重症例と軽症例を比べたところ、部分的には鑑別できるものの、完全に重症型と軽症型を見分けることが難しいことが分かった。 一方、培養温度や種々の薬剤が脂肪酸代謝能に影響することが分かり、これらを応用することで、将来的に軽症例の予測が可能となる可能性はある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪酸代謝異常症は非常に稀な疾患ではあるが、新生児スクリーニングで発症前診断されるケースが多い。一回の急性発作で死に至る事もあることから、乳幼児期には発熱したら入院するといった厳重な管理が行われている。しかしながら、生涯にわたって発症しないような軽症例も多く見つかっている。本研究結果からは、発症前に病気の重症度を正確に予測することは難しく、軽症が予想される症例であっても厳重な管理を行わざるを得ないことが分かった。 一方、患者由来細胞を使った実験系である程度の予後予測が出来ることから、一部の患者については重症度に見合った管理を提供できる可能性はあり、これは患者QOL向上や医療費抑制に寄与する。
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