研究課題/領域番号 |
19K08313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
榎戸 靖 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 細胞病態研究部, 室長 (90263326)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | クラッベ病 / オリゴデンドロサイト / ミエリン / 脱髄 / マイクロRNA / ライソゾーム病 / 脂質異常症 / miR-219 / スフィンゴ糖脂質 / リソソーム / スフィンゴリピドーシス / Akt / 糖脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
最近我々が明らかにした、KDの疾患モデルマウス(Twitcherマウス)で認められるOLの発達異常とサイコシンの異常蓄積(Inamura et al., Neurobiol Dis 2018)に着目し、それらに対するAkt/mTORシグナルやマイクロRNAの関与、ならびに未知の細胞内サイコシン産生経路の存否について解析を行う。得られた知見をもとに、KDの新たな治療法開発をめざす。
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研究成果の概要 |
クラッベ病(KD)はガラクトシルセラミダーゼの欠損により乳幼児期に脱髄を発症するライソゾーム病の一つである。患者の多くは生後 6 ヶ月以内に重度の運動発達異常を発症し、早期に死亡するが、その治療法は未だ確立されていない。今回、KD の脱髄を惹起する病態メカニズムの解明とその治療応用を目指し解析を行なった。本研究により、KD の病因の一つとされるオリゴデンドロサイトの細胞障害に miR-219 の機能不全が深く関わることが示された。また、オリゴデンドロサイトにおけるサイコシン産生酵素として、ASAH1 の関与が示唆された。miR-219 を標的とする KD の新たな治療戦略の発展が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クラッベ病の主徴とされるオリゴデンドロサイトの変性脱落ならびに細胞内サイコシン産生経路の分子メカニズムは、これまで大きな謎とされてきた。本研究で明らかとなった「クラッベ病におけるmiR-219の機能不全とその病態改善効果」は、本疾患の発症機構の理解にとどまらず、オリゴデンドロサイトの分化・成熟異常を伴う他の小児脱髄疾患や神経発達障害の新たな治療法開発にもつながる可能性を持つことから、本研究成果は学術的独自性と創造性の双方を備えたものと考えられる。
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