研究課題
基盤研究(C)
家族性地中海熱はpyrinタンパクをコードするMEFV遺伝子の変異により、pyrin inflammasomeが過剰活性化し炎症症状を生じる自己炎症性疾患である。MEFV変異は種類が 多く、SNPとの判別が困難、変異部位により複数の炎症性疾患を発症するなどの理由で、遺 伝子検査での診断が困難な場合がある。申請者らが先行研究で確立した患者由来細胞・iPS細胞由来 マクロファージを用いて、pyrin inflammasome活性を評価する系を用いて様々なMEFV変異を疾患群、正常群に分類し、MEFV塩基置換を認めた患者のより正確な診断法の確立を目指す。
ヒト単球系細胞株である THP-1 細胞に、GFP で標識した MEFV 遺伝子を強制発現させ、刺激時の細胞死を、FCMで評価した。病原性変異である M694V変異は、正常のMEFV と比較して、強い細胞死を誘導した。これを用いて、32種類のMEFVバリアントを評価したところ、バリアントにより細胞死が異なった。階層的クラスタリングによりバリアントは 6 つのクラスターに分類されこれまでの臨床的な情報ともよく相関していた。そのため、本検査法を用いることでMEFV バリアントの病原性の有無が区別できることが示された。患者検体採取を必要としないMEFVバリアント評価系を確立し、論文として公表した。
家族性地中海熱の原因遺伝子であるMEFVは多種の遺伝子多型があり、検査で見付かっても評価が困難でしたが、MEFV多型を分類する手法を開発しました。特に患者さんの血液を必要とせず、実験室だけで完了することができる点が本法の利点です。MEFV遺伝子検査後にどう判断し、治療するかという場面において、それぞれのMEFV多型の意義を正確に判断できるようになり、臨床的にメリットが大きいと考えられます。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
J Clin Immunol.
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