研究課題/領域番号 |
19K08321
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平松 英文 京都大学, 医学研究科, 講師 (40362503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マイクロRNA / 急性リンパ性白血病 / 白血病 / microRNA |
研究開始時の研究の概要 |
小児白血病は最も治癒しやすい悪性腫瘍の一つとなっているが、その要因にリスク因子に基づいた治療の層別化の戦略があげられる。現在も新規リスク因子の探求が世界的に行われており、なかでも白血病特異的な融合遺伝子の同定や特定の遺伝子変異などが新たなリスク因子として、治療戦略に組み込まれている。本研究では、未だリスク因子として着目されていないマイクロRNAを網羅的に測定することで、新たなリスク因子としての意義を探求することを第一義とし、さらに、マイクロRNAノックダウンベクターを用いて、リスク因子となるマイクロRNAの細胞内での働きを解析することで新規治療ターゲットを同定することを目指す。
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研究成果の概要 |
小児ALLのマイクロRNA(miR)発現解析の先行研究に基づき、独自のlenti-virus vectorを用いてALL細胞株のmiR-146aknock downを行ったところ、コロニー形成能の抑制を認め、NOTCH1 pathwayの関与が示唆された。しかし、マウスへの生着性には有意な差を認めなかった。そこで、改めて、次世代シークエンサー用いて小児ALLのmRNAとmiRの網羅的発現解析を行ったところ、miR発現によってのみ規定される新たな予後不良群(miR-low cluster;MLC)を同定した。MLCパターンを示すALL細胞の分子遺伝学的基盤を解析中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児急性リンパ性白血病はリスクに応じた治療の層別化により予後の改善が見られてきた。先進国においては、90%以上の患者において長期生存が見られるようになってきたものの、未だ20%程度の患者は再発し、造血細胞移植を含む強力な治療が必要となる。さらなるリスク因子の探求は合併症なき治癒を目指す上で極めて重要である。本研究では、特定のマイクロRNA発現パターンが、従来のリクス因子とは独立した新たな因子になることを解明した点で極めて重要で、今後の診断治療の進歩が期待されるばかりでなく、分子学的背景の研究により新規治療法の開発に繋がりうる重要な成果と考えられる。
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