研究課題/領域番号 |
19K08334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
久恒 智博 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, 主席研究員 (10321803)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | カルシウム / てんかん / 結節性硬化症 / TSC / 細胞内カルシウム / 樹状突起スパイン / human iPS cells / dendritic spine / neuron / スパイン / 神経形態 |
研究開始時の研究の概要 |
結節性硬化症は全身の良性腫瘍を特徴とする難病であり、難治性てんかんや知的障害などの神経症状を乳児期から発症する。従来、結節性硬化症はリン酸化酵素の一つ、mTORの異常な活性化により発症すると考えられ、mTORを標的にした治療薬の開発が世界的に進められてきた。 しかし申請者らは、mTOR阻害剤ではなく、その上流の低分子量Gタンパク質Rhebに対する阻害剤だけが、結節性硬化症ラットモデルの神経シナプスの形態異常を正常に戻すことを明らかにした。そこで本研究ではRhebを標的とした結節性硬化症の新規治療薬の開発をめざす。
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研究成果の概要 |
結節性硬化症(Tuberous sclerosis complex:TSC)は全身の過誤腫を特徴とする疾患である。てんかん発作などの神経症状を起こすが、その発症メカニズムの詳細は明らかになっていない。 本研究では、TSC2欠損型iPS細胞由来のヒト神経細胞ではmTOR依存的なL型カルシウムチャネル(Cav1.3)の発現上昇がみられ、その結果、脱分極刺激時における細胞外からのカルシウム流入が増大することを明らかにした。さらにこのカルシウム流入の増大は、神経可塑性を制御する転写因子CREBの持続的な活性化を引き起こすことや、神経軸索の異常な伸長に関与することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TSCは全身の良性腫瘍を特徴とする難病である。その患者の多くが難治性てんかんや知的障害などの神経症状を乳児期から発症するため、治療薬の開発が望まれている。従来TSCはmTORの異常な活性化により発症すると考えられており、「mTORを標的にした治療薬」の開発が世界的に進められてきた。そのため、mTORの阻害剤のラパマイシンやその誘導体のエベロリムスが用いられているが、免疫抑制剤であるために副作用も問題となっている。本研究の結果は、TSCのてんかん症状にカルシウムチャネルの異常が関わることを示唆するものであり、カルシウムチャネルを標的とした結節性硬化症の新薬の開発に繋がるものと期待される。
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