研究課題/領域番号 |
19K08342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
二宮 裕將 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40514237)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 形態形成 / 細胞運動 / 組織伸長 / Xenopus / 神経原基 / FGF / 奇形 / ヒト / 先天性奇形 |
研究開始時の研究の概要 |
脊髄の形態異常である二分脊椎は新生児に比較的高頻度(0.06%)に生じる。この病気は妊娠初期に発症すると考えられるが、この時期のヒト胎児を調べる方法は限られているため、二分脊椎発症に関する細胞の動態や危険因子の作用など、はっきり分からないことが多くある。本研究では、研究代表者が以前に開発した方法をヒトiPS細胞に適用し、ヒト脊髄の組織形態が形成される過程を試験管内で再現する。さらに、このヒト脊髄組織に処理を加え、環境や遺伝的要因がどのように二分脊椎発症に関係するか調べる。本研究のゴールはヒトの二分脊椎発症過程を明らかにし、その予防法を開発することである。
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研究成果の概要 |
組織伸長の試験管内系を確立し、伸長組織形態形成の仕組みを調べ、さらに試験管内での奇形発症再現を試みた。まず、試験管内において、前方と後方の組織が並置される条件でのみ前後軸方向に組織伸長が起きることを明らかにし、その組織の細胞分化パターンが正常胚と同様であることを確認した。次に試験管内系の伸長時の細胞挙動解析から、有糸分裂ではなく収斂伸長運動が組織伸長の駆動力であることを証明した。さらに伸長組織において、伸長運動関連因子の方向性のある局在を明らかにした。最後に催奇性物質処理や伸長運動関連遺伝子のノックダウンが試験管内系の組織伸長を抑えることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本件究では正常胚の組織伸長過程を再現する試験管内系を作った。系は細胞種を限定した条件で形態形成を再現するので解析が容易であり、通常の細胞培養施設で再現可能であることから、専門外の多くの研究者にも組織伸長の解析を試みる機会を提供する。我々が系を用いて組織伸長の仕組みを調べた結果、組織の方向性、および伸長運動関連因子の局在が伸長に必要な条件であることが明らかになった。さらに系を用いて奇形発症を再現することにも成功したので、本研究で作った系を用いた解析は、モデル動物やヒト疫学研究で得られた知見との相乗効果で、奇形発症の原因解明・予防法開発に進歩をもたらすことが期待される。
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