研究課題/領域番号 |
19K08351
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
伊藤 孝一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (00444977)
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研究分担者 |
村上 周子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50454848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / 水平感染 / 母子感染 / キメラマウス / 蚊媒介感染症 / 蚊 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus: HBV)は血液を介して容易に感染し、慢性肝炎から肝硬変・肝癌に至る疾患である。本邦ではHBV母子感染予防処置の普及に伴い、母子感染例が減少し、父、同胞などを感染源とする水平感染例が相対的に増えている。小児のHBV水平感染対策のために、HBVの侵入経路の解明は不可欠である。本研究ではヒト肝臓を持つヒト肝細胞置換免疫不全マウス(キメラマウス)を用いたHBV感染実験を行い、“ヒト-蚊-ヒトHBV感染サイクル仮説”の真偽を明らかにする。
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研究実績の概要 |
【背景】B型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus: HBV)は血液を介して容易に感染し、慢性肝炎から肝硬変・肝癌に至る疾患である。HBs抗原検査はHBV感染の診断に用いられる。HBV感染者では一般的にHBs抗原陽性となるが、低値または陰性となる例も存在する。小児におけるHBs抗原低値陽性例の実態は十分に調査されていない。【方法】2011年から2021年に当院でHBs抗原が測定された15才以下の小児を対象に後方視的に検討した。HBs抗原は化学発光酵素免疫測定法 (CLEIA法) で測定され、0.03 IU/mL以上が陽性とされた。HBs抗原低値陽性 (0.03 ≦ < 100 IU/mL) を示したHBV感染例について、 HBV-DNA定量、ダイレクトシークエンス法によるHBV遺伝子解析、高感度HBs抗原測定法 (ルミパルス;HBsAg-HQ) によるHBs抗原測定をした。【結果】HBs抗原が測定された5984検体のうち陽性は210検体、低値陽性は18検体(12例)だった。低値陽性検体のうち真のHBV感染は9検体(3例)だった。 HBs抗原低値陽性の真のHBV感染例は、HBV遺伝子解析により、全てVEM株(ワクチンエスケープ変異株;G145R変異) であることが確認された。このうち2例では、HBs抗原測定法による結果の乖離 (CLEIA法 < 高感度法)、がみられた。【考察・結論】HBs抗原低値陽性例にはHBV感染例と非感染例が混在していた。HBs抗原低値陽性かつHBV-DNA高値例ではVEMの存在を疑うべきである。高感度HBs抗原測定法はVEMの検出にも有用であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトスジシマカ、アカイエカにヒトの血液を吸血させる実験が計画どおりに達成できていない。
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今後の研究の推進方策 |
ヒトスジシマカ、アカイエカの飼育環境、吸血装置を改良し、吸血させる。 吸血後の蚊の中腸内におけるHBV量の経時的変化の確認する。 吸血後の蚊から抽出されたHBVの感染性を証明する。
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