研究課題/領域番号 |
19K08352
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
前田 潤 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (00255506)
|
研究分担者 |
内田 敬子 慶應義塾大学, 保健管理センター(日吉), 准教授 (50286522)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 先天性心疾患 / NODAL / TBX20 / Nodal / Tbx20 / IP3R2 / 内臓錯位症候群 / 肺動脈発生 / 内臓錯位 |
研究開始時の研究の概要 |
内臓錯位症候群では、高頻度に複雑型先天性心疾患を合併する。私たちは網羅的遺伝子解析により、NODALとTBX20遺伝子異常を有する複雑型先天性心疾患家系を見出した。遺伝子機能解析と、NodalおよびTbx20遺伝子改変マウスの交配実験により、心大血管表現型について、顕微鏡的、組織的、分子生物学的解析を行う。また、私たちが独自に樹立した心臓流出路と肺動脈を標識することができる遺伝子改変マウスをさらに交配して解析することにより、Nodalシグナルの心血管発生および先天性心疾患発症における役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
複雑型先天性心疾患の家族例に同定されたNODALおよびTBX20遺伝子バリアントの病的意義を明らかにするために、遺伝子操作マウスを用いた検討を行った。NodalおよびTbx20ヘテロノックアウトマウス(ヘテロマウス)は生存したが、Tbx20ヘテロマウス、Nodal/Tbx20ダブルヘテロマウスは高率に心室中隔欠損を合併し、ダブルヘテロマウスの生後10日の生存率は有意に低かった。Tbx20ヘテロマウスでは、Nodalの下流標的分子であるPitx2の発現が減少していた。NODALおよびTBX20は協調的に心臓発生に関与し、両者の機能低下は心疾患をより重症化させる可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちは、複雑性先天性心疾患の家族例におけるシグナル分子NODAL、転写因子TBX20の遺伝子異常を同定し、それらを端緒に分子遺伝学的検討を行った。遺伝子操作マウスを用いて、Nodal、Tbx20が心臓発生において共通の分子経路をもち、両者の異常が合併することで先天性心疾患を重症化させる可能性を示した。Tbx20は先天性心疾患の中で最も頻度が高い心室中隔欠損の発症に関与していることが判明し、その分子機構解明により、欠損の発生ならびに自然閉鎖の機序が明らかになる可能性がある。
|