研究課題/領域番号 |
19K08353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
平澤 孝枝 帝京大学, 理工学部, 准教授 (10402083)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ミクログリア / ストレス / 母子分離 / シナプス / 母子分離ストレス / 生後環境 / エピジェネティクス / 精神ストレス / 発達遅滞 |
研究開始時の研究の概要 |
早期の生育環境が子の発達に大きな影響を与えることは古くから知られており、生後のストレス脆弱性やうつ病などの精神・神経疾患に影響を与えることは既に報告されている。脳内免疫細胞のミクログリアは幼若期の環境で活性化が左右され、生後の神経細胞や脳内免疫システムの破綻を生み出している知見を既に得ている。本研究では、決定された脳内免疫細胞の特性がどの位シナプスの可塑性や成熟に関わるのかその解明を目指す。上記の疾患が幼児期、すなわち脳内に侵入する時期の早期ミクログリアの神経-グリア相関の破綻にあると位置づけ、ミクログリアの異常が成熟脳のシナプス刈り込み異常に起因している事を証明する。
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研究成果の概要 |
ミクログリアの自閉症や発達障害、うつ病における活性化はすでにヒトの疾患研究などでも言われているが、その具体的な特性やその活性化が脳機能にどのような影響を与えるのか分かっていない。本研究では生後初期のストレスに起因するミクログリアの特性と脳内に浸潤したミクログリアの成熟の特性を明らかにすることを目的とした。母子分離ストレスを与えたマウスは生後の発達期(生後7,14日)において脳内ミクログリアが炎症性にシフトしている事が示唆された。すなわち生後初期のストレスは肝臓由来の血球系細胞(クッパー細胞)由来から骨髄由来にシフトしており、生後発達期において活性化型に変化している事が示唆される結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミクログリアは脳内免疫を担う重要な役割を持つ一方、シナプスの刈り込みにも関わる事が考えられている。一方で、うつ病などをはじめとする精神疾患においてシナプス形成の不全や減少がシナプスの刈り込みによるものであるかどうか不明である。本研究ではミクログリアの性質が幼若期の環境に影響を受けることを示した。大人の脳は既に幼少の環境に影響を受けることを示唆している。更に、これらの性質は炎症性のサイトカインを放出する性質を示している。この事からうつ病を始めとした精神疾患の神経症状にはミクログリアの性質の調節が重要であると考えられる。
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