研究課題/領域番号 |
19K08356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
犀川 太 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60283107)
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研究分担者 |
小松崎 俊彦 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (80293372)
西山 宣昭 金沢大学, 高等教育開発・支援系, 教授 (10198525)
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | コンピュータ解析 / 急性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 / 再発 / 細胞移動軌跡 / コンピュータシミュレーション / 再発予測 / 再発予知 / 標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
研究者らは3次元コンピュータシミュレーションモデルを用いて「急性骨髄性白血病モデル」を構築し、さらに治療シミュレーションを加えた「急性骨髄性白血病治療モデル」を構築した。このモデルでは白血病幹細胞が少数ながら生き延びつつやがて「消滅する完全治癒型」と「再増殖する再発型」が再現されている。再発か治癒かの分岐点には白血病幹細胞の局在とその周囲の骨髄環境が密接に関連していることが推測されている。本研究ではこのモデルを用いて、白血病幹細胞細胞の動態(振る舞い)を追跡し、分岐点における白血病幹細胞の局在とその周囲の骨髄環境を可視化して、再発の機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究(令和元年-3年度)は、コンピュータモデル解析による急性骨髄性白血病治療後の再発予知を目的とした。白血病幹細胞(LSC)システムに基づく急性骨髄性白血病モデルに抗がん剤治療を導入し、「治癒型白血病治療モデル(治癒モデル)」と「再発型白血病治療モデル(再発モデル)」を構築した。再発の予知にはLSCの動きを視覚化(移動軌跡の描画)する必要がある。そこでLSCに目印を付加(マーキング化)することにより、LSCの時間的位置変化を追跡した。その結果、再発と治癒とでは白血病幹細胞の移動パターンに違いが推定された。今後、移動軌跡の数学的解析により変化点を検出し、再発の予知因子を抽出する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児リンパ性白血病の治療成績がめざましく向上していくなかで、小児骨髄性白血病は依然として再発率の高い予後不良群を形成している。これまで治療後に残存する白血病細胞(微小残存病変)を指標に治療開発が試みられてきた。一方、白血病細胞を供給する白血病幹細胞(LSC)の存在が明らかとなり、「真の治癒の判断」と「再発の予知」にはLSCの動態を把握することが必須となってきた。しかし、実際のLSCの動きをリアルタイムに捉えることは困難であり、ここに「モデル化」の意義があり、重要なアプローチ方法となりうる。本研究のLSCの細胞軌跡の解析が今後の白血病治療戦略の構築に基礎的な情報を提供することが期待される。
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