研究課題/領域番号 |
19K08358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
李 コウ 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 疾病研究第二部, 科研費研究員 (70621994)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 先天性大脳白質形成不全 / カルシウム恒常性 / 細胞内輸送 / 大脳白質形成不全症 / 小胞体 / ペリツェウス・メルツバッハー病 / 髄鞘形成不全 / カルシウム枯渇 / ER-Golgi輸送 / 神経変性 / Pelizaeus-Merzbacher病 / 膜輸送 / カルシウム / 細胞病態 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経系の髄鞘膜蛋白質PLP1のアミノ酸置換変異は、重篤な先天性大脳白質形成不全症PMD病の原因となる。変異体PLP1による細胞障害機序の解明は、現在有効な根治療法がないPMDの治療法の開発のために重要である。我々は予備研究のデータより、小胞体ストレスによって、小胞体のカルシウム濃度の制御機能が低下し、カルシウム依存的な細胞内物流システムに支障を来たし、細胞の恒常性維持に必要な正常分泌蛋白質・膜蛋白質のグローバルな輸送障害を引き起こすという新規病態仮説を提唱し、このモデルの検証とその細胞分子機序の解明を行う。本研究の成果は、PMDの新たな治療標的の同定につながる。
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研究成果の概要 |
Pelizaeus-Merzbacher病(PMD)は先天性大脳白質形成不全の代表的な疾患である。従来、変異体の髄鞘膜蛋白質PLP1蛋白質は、過剰な小胞体ストレスによって細胞に起こるunfolded protein response(UPR)により細胞死を誘導するものと考えられて来た。我々は変異体PLP1蛋白質が小胞体のカルシウム枯渇を介し、ER-Golgi体輸送を障害するという新規病態を解明した。本研究の成果は、PMDの新たな治療標的の同定につながるばかりでなく、同様の小胞体ストレス病態の関与が示唆される他の疾患の病態解明にも寄与すると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的及び社会的意義は、①これまで検証されていないPelizaeus-Merzbacher病の細胞カルシウム恒常性破綻と細胞内輸送障害に対して、生理機能と病態表現の面で検証することができるということである。②新規細胞病態のメカニズムを解明することにより、当疾患の治療法開発のための基盤になる知見を得ることが出来る点である。③本研究の成果は、新しい治療法の評価手段としても応用できる。
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