研究課題/領域番号 |
19K08411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浅野 直喜 東北大学, 医学系研究科, 講師 (20526454)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 老化 / オルガノイド / 発癌 / 胃 / NOD1 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
自然免疫関連分子NOD1を欠損するマウス胃において顕著な胃粘膜萎縮を認めたことから、免疫関連分子が胃粘膜の老化を直接的に制御していると考え、NOD1の機能不全が胃上皮幹細胞を介して、胃の老化・発癌に関与する機序を明らかにする。その目的で、若齢および老齢のNOD1欠損および野生型マウス胃からオルガノイドを作成し、NOD1によって制御される幹細胞維持や分化に関連する遺伝子、胃粘膜の老化や胃発癌に結びつく新規遺伝子の同定を試みる。同定した遺伝子の機能解析を行い、ヒト胃組織標本における新規同定遺伝子の発現も評価し、最終的に、NOD1による胃上皮幹細胞の胃老化・発癌の制御に関する基礎的な知見を得る。
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研究成果の概要 |
若年および老年の野生型マウス胃からオルガノイドを作成したところ、老年マウス胃から作成したオルガノイドは若年マウス胃から作成したものよりも、オルガノイド形成数は多く、細胞増殖能も高いという意外な結果が得られた。老年胃オルガノイドでは若年胃オルガノイドに比べてWntシグナルが活性化、転写因子Tbx3の発現が増強しており、さらには細胞老化が抑制されていることが判明し、これらが細胞増殖能の亢進に寄与していると考えられた。 ヒト胃生検検体および内視鏡切除標本を用いた検討により、ヒトにおいても加齢によるTBX3の発現亢進が認められること、胃癌においてTBX3が発現していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢は種々の臓器における発癌リスクと考えられている。本研究では、胃オルガノイドを用いた検討により、加齢によって転写因子Tbx3を高発現する細胞が出現することが判明した。このTbx3発現細胞では、細胞老化が抑制され、細胞増殖能が亢進していたことから、このTbx3の発現亢進という経路が加齢による胃発癌機序の一つとして考えられた。今後は胃粘膜上皮におけるTbx3を抑制することにより、発癌予防や治療に結びつく可能性が考えられる。
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