研究課題/領域番号 |
19K08436
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
藤井 裕美子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30722334)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / CagA / 脂質ホスファターゼ / がん / 胃がん / へリコバクター・ピロリ / 細菌 / 感染がん |
研究開始時の研究の概要 |
胃がん発症に深く関わるピロリ菌は、病原因子CagAを胃上皮細胞に直接注入して細胞の機能を攪乱する。私たちはこれまでに、CagAが胃上皮細胞内で結合する新規脱リン酸化酵素を見出した。この酵素は様々な細胞の機能制御に関わることから、CagAはこの酵素活性を変化させることにより細胞機能に異常をもたらす可能性が考えられた。そこで本研究では、CagAとこの酵素の結合がもたらす細胞への影響を明らかにして、CagAによる胃発がんメカニズムの解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
胃上皮細胞におけるチロシンリン酸化CagAの新規結合標的として、SH2ドメイン含有イノシトールホスファターゼSHIP2を同定した。CagAは宿主細胞の細胞膜近傍にSHIP2を集積させ、SHIP2のリン脂質ホスファターゼ活性を亢進することでピロリ菌が接着する細胞膜のホスファチジルイノシトール組成を変化させることを示した。さらに、SHIP2がピロリ菌から宿主細胞へのCagAの侵入を促進することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SHIP2はCagAと結合することで胃上皮細胞内へのCagAの取り込みを促進し、その働きによりCagAが示す発がん活性の亢進に寄与していることが強く示唆された。本研究から、SHIP2は特に欧米に広く分布するピロリ菌が持つCagAへの結合が強いことが示され、欧米型のcagA陽性ピロリ菌感染を起点とした胃発がんに関わることが推察された。SHIP2によるCagA取り込み促進のメカニズムをさらに詳細に明らかにすることで、胃がん発症予防に関わる重要な知見が得られる可能性がある。
|