研究課題/領域番号 |
19K08440
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2020-2021) 岐阜大学 (2019) |
研究代表者 |
伊藤 弘康 藤田医科大学, 医学部, 教授 (80373075)
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研究分担者 |
石川 哲也 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (10288508)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | HBV / ワクチン療法 / マウスモデル / K3SPG / cGAMP / スペルミジン / 動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
HBV感染症は、急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・肝臓がんと進行性の肝疾患の原因となる。したがって、早期のHBV排除が必要となるが、現在HBVを完全に排除する治療法は確立されていない。申請者らは新規HBVマウスモデルの作製(基盤研究(C)2016.4~2019.3)を行っており、本モデルマウスを使用することにより、従来までの小動物HBV感染モデルでは困難であった宿主免疫応答の解析が可能となり治療的ワクチン療法の評価ができる。本研究では、最近開発された強力なアジュバンド効果を有するCpG-SPGを主に使用し、免疫チェックポイント阻害剤との併用を考慮しながら、新規治療的ワクチン療法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染症モデルであるHBVトランスジェニックマウスを用いてポリアミン(スペルミジン:SPD)のアジュバンド増強効果について検討を行った。HBs抗原+cGAMP(STINGリガンド)にて野生型(WT)マウスおよびHBVトランスジェニック(HBVTg)マウスに対して免疫を行ったところ、スペルミジン投与によりHBs抗原特異的な液性および細胞性免疫応答の増強がみられた。さらに、HBVTgマウスでは免疫後肝内および血清中のHBs抗原量が有意に低下した。以上より、スペルミジンはアジュバンド効果を増強し、慢性HBV感染症に対する新たな治療に繋がる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、慢性HBV感染症に対する治療として核酸アナログ製剤が使用されているが、HBVを完全に排除できる可能性は低く、新規治療法の開発が期待されている。本研究では、慢性HBV感染症患者と同様にHBVに対する免疫応答が減弱しているHBVTgマウスにおいてもアジュバンドとスペルミジンの併用投与によりHBV特異的な免疫応答の増強が確認できHBs抗原量の低下も認められた。したがって、本研究により未だウイルスの完全な排除が困難である慢性HBV感染症に対する新たな治療戦略の開発に繋がる知見が得られたと考える。
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