研究課題/領域番号 |
19K08443
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高井 淳 京都大学, 医学研究科, 助教 (80760587)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 全ゲノム解析 / 全ゲノムシーケンス / ゲノム解析 / オルガノイド培養 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、乏血性の高分化型肝細胞癌の一部がさらに悪性化し、多血性結節を形成した「結節内結節型肝細胞癌」と呼ばれる病変に着目する。結節内結節型肝細胞癌組織の乏血性病変・多血性病変からサンプルを採取し、全ゲノム解析を行うことによって、多段階発癌に重要なゲノム異常の同定を試みる。また、採取したサンプルからオルガノイド培養によりsingle cell由来のクローンを樹立し、各クローンの特徴についてトランスクリプトーム解析などにより評価する。
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研究成果の概要 |
結節内結節型肝細胞癌を対象とした全ゲノム解析により、、ヒト肝癌で最も高頻度に同定されるTERT遺伝子に関連する異常はすべてtrunk aberrationとして認められるのに対し、unique aberrationとしてはPTENやTP53などの癌関連遺伝子における異常が多数認められ、症例によって異なっていることが明らかとなった。本研究の結果より、TERT遺伝子に関する異常は肝癌のnitiationに関与するイベントであるが、肝癌の多血化・悪性化には多様な分子経路の異常が関わっていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、肝発癌の初期にはTERT遺伝子異常が必須である一方で、肝癌の進行期には多様な遺伝子異常や分子経路の異常が関与することが分かった。本研究により、多段階発癌の分子生物学的メカニズムの一端が解明された。本研究成果を基盤として、TERTを標的とした分子標的治療や、症例によって異なる遺伝子異常をターゲットとしたオーダーメイドの分子標的治療の開発につながることが期待される。
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