研究課題/領域番号 |
19K08455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
渡邉 智裕 近畿大学, 医学部, 准教授 (40444468)
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研究分担者 |
工藤 正俊 近畿大学, 医学部, 教授 (10298953)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | RIP2 / 炎症性腸疾患 / 炎症性サイトカイン / NOD2 / ATG16L1 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患は腸内細菌に対する過剰な自然免疫反応を背景に発症することが明らかになっている。RIP2は腸内細菌に対する自然免疫反応を制御あるいは増強する自然免疫担当分子であるが、RIP2の活性化が炎症性腸疾患の病態に及ぼす効果は明らかになっていない。本研究では炎症性腸疾患の病態解明を「RIP2が誘導する自然免疫反応」という新たな視点から、実験腸炎モデルと炎症性腸疾患の臨床検体の双方を用いて解明することを目指す。さらに、RIP2の活性化制御を用いた炎症性腸疾患の新規治療法を提案する。
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研究成果の概要 |
RIP2は自然免疫反応受容体であるTLR及びNOD2の下流分子として機能する。我々はマウス腸炎モデルを用いることにより、樹状細胞が腸内細菌を認識することによって、活性化されるTLRs-RIP2経路が実験腸炎の発症に病的な役割を果たすことを見出した。さらに、炎症性腸疾患患者の炎症局所のサンプルを用いることにより、RIP2の活性化が炎症性サイトカインの産生・疾患活動性と強い相関を示すことを明らかにした。以上の結果から、RIP2が炎症性腸疾患の新規治療標的として有望であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サイトカインを標的とする生物製剤の登場により、炎症性腸疾患患者の寛解導入率は向上した。しかしながら、現行の生物製剤を用いても、炎症性腸疾患の寛解導入成功率は約50%に留まっている。このように、炎症性腸疾患の新規治療法開発はUnmet medical needsの一つである。本研究では、RIP2というこれまで注目されていなかった分子に着目し、RIP2の活性化という視点から炎症性腸疾患の病態解明を試みた。その結果、RIP2の活性化が炎症性腸疾患の発症に重要な役割を果たすことを明らかにした。この成果はRIP2を標的とする炎症性腸疾患の新規治療薬開発につながるものである。
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