研究課題/領域番号 |
19K08463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
澤田 武 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60345626)
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研究分担者 |
八尾 隆史 順天堂大学, 医学部, 教授 (20243933)
鈴木 拓 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20381254)
佐々木 泰史 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (70322328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 十二指腸腫瘍 / 十二指腸腺腫 / 小腸癌 / 遺伝子変異 / DNAメチル化 / 遺伝子メチル化 / 内視鏡診断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、十二指腸非乳頭部腺腫・早期癌の遺伝子変異・メチル化を解析することにより、十二指腸癌の発癌メカニズムを解明することである。さらに、同定された高異型度腺腫・早期癌に特徴的なゲノム・エピゲノム変化を、免疫組織化学を含む病理診断と、狭帯域光観察(narrow band imaging, NBI)を併用した拡大内視鏡所見とにフィードバックすることにより、腺腫から癌への進展を予測する内視鏡診断体系を確立する。それにより、生検を行わなくとも内視鏡切除の適応判断が正確になり、表在性非乳頭部十二指腸腫瘍の治療方針の確立を行う。
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研究成果の概要 |
十二指腸癌は希少癌であり、発癌の分子機構も未解明である。その解明のため、前癌病変である非乳頭部十二指腸腺腫・粘膜内癌について、ゲノム・エピゲノムの統合解析を行った。粘液形質発現によって胃型腫瘍と小腸型腫瘍に分類すると、両者は臨床病理学的、分子学的に異なっており、独立した2つの発癌経路の存在が示唆された。また、小腸型腺腫・粘膜内癌におけるAPC変異の頻度は57%と高く、従来小腸癌で報告された頻度より高かった。よって、小腸型形質をもつ十二指腸発癌において腺腫の一部しか進行癌に進展しない、つまりadenoma-carcinoma sequenceによる多段階発癌の関与は限定的であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
十二指腸腺癌は希少癌であり、発癌機序は十分解明されていない。特に、その前癌病変である十二指腸腺腫・粘膜内癌の分子学的解析はほとんどなされてこなかった。我々は初めて100以上の前癌病変について75遺伝子の変異解析を行った。結果、非乳頭部十二指腸腫瘍の発癌経路は複数あることを解明した。また、小腸型形質を示す非乳頭部十二指腸発癌においてadenoma-carcinoma sequenceの関与は限定的であることが示唆された。このように本研究は、稀ではあるが近年注目を集めるようになってきた非乳頭部十二指腸発癌の分子学的機序の一端を明らかにした。
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