研究課題
基盤研究(C)
サルコペニア(骨格筋量と筋力の低下)は、慢性肝疾患患者の予後やQOLを悪化させる。また肥満や内臓脂肪の増加は、肝発癌のリスク因子である。本研究は、体組成の違いによって惹起される様々な分子異常が肝臓の病態に及ぼす影響を明らかにすることで、体組成解析を基盤とする全く新しい慢性肝疾患に対する包括的治療法を開発することを目標とする。肥満やサルコペニアが健康のkey wordになっている昨今、これらの病態に対する国民の関心は高まっている。また肥満や過栄養による肝障害は開発国でも大きな健康問題となっており、本研究の推進は本邦のみならず、世界に対する有益なデータの発信に繋がることが期待される。
1. カルニチンは肝硬変患者の予後を改善する。2. 海綿骨スコアの評価は、肝硬変患者の椎体骨折リスクの予測に有用である。3. 握力低下は、肝硬変患者の不顕性および顕性肝性脳症の発症予測因子である。4. 内臓脂肪量の増加と高インスリン血症は、肝炎ウイルス陰性肝癌根治的治療後の再発リスクを高める。5. Stroop testは、不顕性肝性脳症の診断と顕性脳症の発症予測に有用である。6. 亜鉛欠乏症は、肝硬変患者の顕性肝性脳症の発症と予後を予測する。7. サルコペニアと低アルブミン血症は、肝硬変栄養療法の開始基準として適切である(肝硬変診療ガイドライン2020のAnnual Review版に引用)。
サルコペニアと低アルブミン血症が肝硬変栄養療法の開始基準として適切であることを示し、「肝硬変診療ガイドライン2020」の栄養療法フローチャートの妥当性を証明した。本研究結果は、同ガイドラインのAnnual Review版に引用された。また不顕性肝性脳症は肝硬変の最大の合併症であるが、握力測定や亜鉛欠乏症の評価、さらにはStroop testを施行することで、同病態の診断や予後予測が可能であることを明らかにした。さらに内蔵脂肪の増加や骨病変(海綿骨の脆弱化)が、慢性肝疾患の病態に及ぼす影響を検討し、sarcopenia obesityやosteosarcopeniaの臨床的重要性を報告した。
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