研究課題/領域番号 |
19K08473
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山口 寛二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50381950)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Apg-2 / 脂肪肝炎 / 肝がん / リポファジー / 分子シャペロン / 熱ショック蛋白 / mTOR |
研究開始時の研究の概要 |
Apg-2による脂肪滴形成とリポファジーのバランス制御を検討することで、Burn-out non-alcoholic steatohepatitis(NASH)を含めたadvanced NASHから肝発がんの病態を明らかにする。Apg-2がAMPKの抑制からmTORシグナルを活性化し、リポファジーを抑制する一連のpathway解析を、Apg-2ノックアウトマウスを用いた肝発がんモデル及び脂肪肝モデルを作成し解析する。さらに、肝がん細胞株での検討、ヒト肝生検で得られた脂肪肝炎の組織におけるApg-2の発現と、リポファジー関連遺伝子発現の関連性を臨床プロファイルと比較して検討する。
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研究成果の概要 |
熱ショック蛋白Apg-2は、リポファジーを抑制する可能性がある。Apg-2ノックアウトマウスに肝細胞特異的に脂肪滴構成たんぱく質であるTip47、ADRPを強制発現させたところ、高脂肪食下であっても肝脂肪化はWildタイプマウス との比較で、著明に抑制されていた。また、肝がん細胞株においてApg-2 SiRNAを導入すると、肝脂肪化が減少とリポファジーの亢進が確認された。ヒト脂肪肝炎の肝生検組織を用いて、Apg-2の発現パターンと脂肪化、炎症、線維化を検討したところ、脂肪肝ではApg-2のmRNAの発現が上昇していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、Apg-2による脂肪滴形成とリポファジーの抑制の可能性が示唆され、肝脂肪化に及ぼす分子シャペロンの役割の一端が示された。特に脂肪化を伴う肝がんはsteatohepatitic typeと言われており、肝がんで高発現するApg-2の脂肪化促進作用とリポファジー抑制が嫌気性解糖系に依存する癌細胞の代謝環境を調整している可能性がある。今後は、Apg-2自体の発現抑制だけではなく、Apg-2分子のシャペロン活性の標的蛋白を明らかにして、その会合を阻害する化合物の開発が重要であり、代謝薬としての抗ガン治療の補助療法となり得る。
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