研究課題/領域番号 |
19K08484
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 憲文 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60436483)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マルファン症候群 / 動脈瘤 / マクロファージ / TGFβシグナル / ロイスディーツ症候群 / 大動脈瘤 |
研究開始時の研究の概要 |
マルファン症候群やそのロイス・ディーツ症候群(LDS)は、若年で致死的大動脈瘤・解離症を発症する遺伝性難治疾患である。動脈壁では組織脆弱性とTGFβ受容体シグナルの亢進を認めるが、動脈瘤発症・進展に至る分子機構は明らかでない。マルファン外来での臨床研究から、重症例ほど炎症細胞の浸潤が多くエネルギー代謝に関わる転写因子Xの発現が低値であること、妊娠や僅かな生活習慣病リスクが大動脈解離発症の危険因子となることを見出した。これらは、LDSでのTGFβパラドックスや周産期大動脈解離の病態を解明するためのキー現象と疑っている。本課題では、慢性炎症とX依存性シグナル異常が動脈瘤進展に果たす役割を検証する。
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研究成果の概要 |
マルファン症候群(MFS)は、若年で致死的な大動脈解離を発症する。MFSではトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)シグナルが活性化し、重症例ほど大動脈外壁への炎症細胞の浸潤が多いが、その発症・進展における炎症細胞の役割は明らかではない。本課題では、マクロファージにおけるTGFβシグナルに着目し、マクロファージ特異的にTGFβシグナルを欠落させたマルファンモデルマウスを作成したところ、動脈外膜側へのマクロファージの浸潤は少なくなり、動脈瘤形成は有意に抑制された。炎症細胞におけるTGFβシグナル抑制は、遺伝性大動脈瘤における治療標的となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マルファン症候群では、大動脈瘤に対する降圧薬治療(ロサルタンなど)や自己弁温存大動脈基部置換術などの発達によりその予後は改善傾向にあるが、病態特異的な治療法がなく、依然として若年で致死的な大動脈解離に至る患者も少なくない。本課題において、炎症細胞におけるTGFβシグナル抑制がその治療標的となる可能性が示唆され、治療法が開発されることも期待できる。
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