研究課題/領域番号 |
19K08503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
甲斐 久史 久留米大学, その他部局等, 教授 (60281531)
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研究分担者 |
翁 徳仁 久留米大学, 医学部, 助教 (10412503)
新山 寛 久留米大学, 医学部, 助教 (30309778)
佐々木 基起 久留米大学, 医学部, 助教 (60725026)
加藤 宏司 久留米大学, 医学部, 准教授 (70279165)
豊増 謙太 久留米大学, 医学部, 助教 (50837672)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | サルコペニア / バイオマーカー / 予後予測因子 / 予後予測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、申請者らが公表した特殊なスキルや高額機器を用いず外来でも簡便に施行できる血中バイオマーカーを用いたサルコペニア指標BSIが、心疾患におけるサルコペニア悪化や予後予測に有用であるかを検討するための前向き登録研究である。登録時BSIの(1)サルコペニア悪化リスクの層別化、(2)心事故発症や予後予測に有用であるかを検討し、それらへのBSIの診断カットオフ値を明らかにする。
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研究実績の概要 |
申請者は、近年、独自のデータベース後向き研究により、特殊なスキルや高額機器を用いず実地医家や一般循環器科医が外来でも簡便に施行出来る血中バイオマーカーを用いたサルコペニア指標biomarker-based sarcopenia index (BSI)を提唱し、これが心疾患におけるサルコペニア診断に有用であることを報告した。 本研究の目的は、前向き登録研究により、①登録時BSIが、サルコペニアおよびサルコペニア肥満の悪化リスクの層別化に有用か、②登録時BSIが、心血管事故発症や生命予後の予測に有用であるか、を検討し、③サルコペニア悪化・新規発症、サルコペニア肥満悪化・新規発症、心血管事故発症を予測する登録時BSIの診断cut-off値を明らかにすることである。 初年度(令和元年)には、新規に心疾患入院患者を前向きに登録し12ヶ月間追跡するシステムを立上げた。入院時における観察および検査項目は以下の通りである。a. 年齢、性、身長、体重、BMI、腹囲、合併症・既往症、喫煙、飲酒、服薬内容。b. 理学的所見:随時血圧・心拍数、家庭血圧・心拍数。c. 血液検体検査:脂質・空腹時血糖・HbA1c・HOMA指数・腎機能・尿酸値・肝機能など。一般生化学、CK、NT-proBNP、高感度TnT、尿中アルブミン。d. 心機能:心エコー。e.血管機能:血管内皮機能(エンドパット)、動脈硬化検査(CAVI、脈波伝搬速度)。f. 筋・炎症関連血中バイオマーカー。 g.栄養マーカー:血清アルブミン、総コレステロール、総リンパ球数、CONUTスコア。h. 筋力:握力。i.歩行速度:10m歩行時間より算出。j. 骨格筋量・脂肪量:①生体電気インピーダンス法による四肢骨格筋量および総脂肪量、②CTによる大腿四頭筋断面積および腹部脂肪面積。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者登録については、当初、令和元年7月頃から登録システムの本研究に向けたアップデートが終了し登録を開始した。令和2年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染拡大さらには緊急事態宣言発令のため、申請者の施設における診療体制・検査体制が通常から大きく変わり、施設全体の外来診療および入院診療の抑制、当初予定していた入院検査・データ収集が不可能となり、新規登録はストップした。令和2年9月に当院電子カルテシステムが新規変更となったため、患者登録システムに新たなデータ移行システムが必要となり同年11月末となった。しかし、その後、感染拡大のため、実質的に新規登録が出来なかった。これまでに登録したものもほとんどが12ヶ月後のフォローアップが出来なかった。一方、感染拡大期以降、患者の受診抑制・服薬アドヒアランス低下・引き籠もり等を原因とした 超高齢者の心不全入院が増加したが、本研究に適さない症例が多かった。令和元年12月以降、機器不具合のためエンドパッドが使用不可能となったため、内皮機能についての評価が不可能となった。 また、データ入力担当者(本研究費からの人件費は支出はなし)が令和2年に急遽退職し、その後任を補充できない状況が続いている。そのため、入力作業が長期間ストップしてた。昨年度より研究代表者・分担者により徐々に入力を進めているところである。本研究費で支出予定であった保存血液サンプルの解析は、登録時と12ヶ月時のものすべてをまとめて同時に測定予定であり、前後のサンプルが揃い次第、測定を行う予定である。 そこで、従来の登録システムに加えて現システムの新規データの一部を用いて、後方視的に、BDNFが心血管病患者における心臓リハビリテーションによる心肺機能改善の予知因子となりうるかについての検討などを行った。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の5類への移行の後、申請者の診療・検査体制を立て直すことが出来たため患者登録をあたらめて開始した。それらの12か月間のフォローアップを行う。これまでの研究の遅延を考慮して、6ヶ月時の中間解析を現在行っている。従来のデータベースと少数ではあるが新規データの一部を用いた後向き解析を行っている。 あわせて、データ入力担当者の採用を進め(本研究費からの人件費支出は無し)、効率的なデータ入力が可能となるシステム作りを模索している。
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