研究課題/領域番号 |
19K08504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
稲垣 正司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員研究員 (80359273)
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研究分担者 |
杉町 勝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (40250261)
李 梅花 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (60443496)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 臨床心臓病学 / 心筋梗塞 / 迷走神経 / 心不全 / 神経刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、急性心筋梗塞に対する新しい治療法として再灌流後の短期的迷走神経刺激治療を確立して臨床応用に結び付けるために、迷走神経刺激による内在性心筋幹/前駆細胞の賦活化を介した心筋再生効果に着目して、治療機序の検討を行います。また、神経刺激刺激条件が心筋梗塞後の初期リモデリング抑制効果や不整脈抑制効果に及ぼす影響と、刺激条件が過度の心拍数・血圧低下、疼痛、咳嗽等の有害事象の発生に及ぼす影響を調査し、有効性・安全性の両視点からの最適な神経刺激条件の検討を行います。
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研究実績の概要 |
本研究では、「急性心筋梗塞に対する再灌流後の短期的迷走神経刺激治療法」を確立して臨床応用に結び付けるために、①迷走神経刺激による心筋再生効果に着目した治療効果の機序解明、②有効性・安全性の両視点から最適な刺激条件の検討、を行うことを予定している。 ウサギの頸部右迷走神経に神経刺激用電極を植込み、1週間後に冠動脈左室枝・回旋枝を閉塞し虚血・再灌流モデルを作成した。再灌流から30分後に、トレイン持続時間を10秒/60秒に固定して迷走神経刺激治療を開始した。コントロール群(無治療)および治療群(心拍数を10%低下させる強度で3日間刺激)について、心筋梗塞作成4日後、7日後、2週間後の心臓標本の作成した。 課題①本年度は7日後の標本について、迷走神経刺激が心筋梗塞後のM1型マクロファージ(炎症性)およびM2型マクロファージ(抗炎症性)の動態に及ぼす影響を検討した。M1型+M2型マクロファージのマーカーとしてanti- F4/80抗体、M1型マクロファージのマーカーとしてanti- CD86抗体、M2型マクロファージのマーカーとしてanti-CD163抗体を用いて、三重染色を行った。マクロファージは梗塞部位およびその周辺に集積していた。迷走神経刺激治療群ではコントロール群に比しマクロファージの集積数が少なかった。また、迷走神経刺激治療群ではM1型マクロファージは極めて少なく、ほぼすべてがM2型マクロファージであった。迷走神経刺激治療により、心筋梗塞1週間後の梗塞巣ではマクロファージの浸潤が減少しており、よりM2型マクロファージが浸潤していた。これは、迷走神経刺激治療により梗塞巣の炎症が抑制されより早期に梗塞巣の修復が行われる可能性を示していると考えられた。 課題②は昨年度までに終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染症の拡大に伴う緊急事態宣言のため、R2年度にテレワークを実施しなければならない期間が生じたため、動物実験を実施することができなかった。 また、ウサギ心臓標本の免疫染色に用いる抗体は、ウサギ用の抗体がほとんど販売されていため、マウス・ラット・ヒト用の抗体を一つ一つ試してウサギに交差性のある抗体を選択しなければならなかった。この作業に予想以上の時間がかかり、遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間を令和5年度まで延長し、実施できなかった課題(梗塞4日後の心臓標本を用いた検討)について、令和5年度に実施する。
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