研究課題/領域番号 |
19K08506
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
稲垣 薫克 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (20638366)
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研究分担者 |
石橋 知彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 上級研究員 (30722285)
中岡 良和 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (90393214)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / interleukin-6 / 炎症性サイトカイン / 肺血管リモデリング / 肺動脈性肺高血圧症 / 血管リモデリング / Interleukin-6 / ヘルパーT細胞 / 炎症 / 右心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、厚生労働省指定難病のひとつである肺動脈性肺高血圧症(PAH)の病態解明及び新規治療法の開発を目標としている。PAH患者の肺で観察される肺血管の異常なリモデリングの進行過程において炎症性サイトカインのinterleukin-6(IL-6)シグナルに着目し、IL-6が関与する細胞を明らかにし、IL-6阻害によるPAHの新規治療法の確立のため、心臓に対するIL-6阻害の影響を明らかにすること、またIL-6阻害が有効なPAHのサブタイプを患者血清サンプルにおける網羅的な血清サイトカインのプロファイル解析を行うことにより明らかにすることを目的としている。
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研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、予後不良の厚生労働省指定難病であり、早急な原因解明および根治的治療薬の開発が望まれている。本研究では、重症PAHモデルが作成可能なラットの系を用いて、肺高血圧病態形成におけるIL-6の役割を明らかにし、PAH発症機構の解明を目指すことを目的とした。IL-6は軽度から中等症の低酸素性肺高血圧モデルだけではなく、重症PHモデルであるMCTモデルおよびSuHxモデルの肺高血圧病態形成に関与し、免疫細胞のCD4陽性細胞におけるIL-6シグナルはPAHの病態形成において中心的な役割を有し、IL-6阻害が難治性PAHに対する新規の有望な治療と成りうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺高血圧症は、治療薬の開発が進み治療法が進歩しつつある疾患であるが、薬剤に適応しない患者については未だに予後不良の疾患である。本研究では炎症性サイトカインのIL-6が軽度から重症の肺高血圧症の病態形成に関与することを明らかにした。また、免疫細胞のヘルパーT細胞におけるIL-6シグナルがPH病態形成に関与することが示唆されたことから、炎症に着目した新たな治療法の確立といった肺高血圧症における創薬の可能性や、これまでの既存の薬剤に適応しない重症肺高血圧患者の予後改善にまで発展する可能性が期待できる。
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