研究課題/領域番号 |
19K08511
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (80282771)
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研究分担者 |
大坂 瑞子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (00581711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / 白血球接着 / 血管炎症 / 動脈硬化症 / 好中球 / in vivoイメージング / CXCL1 |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化症の原因として脂質摂取の過剰が単球やマクロファージの活性化を介し、プラ-クを形成することが重要だと考えられてきた。我々は、高脂肪食摂取による血管炎症反応では単球ではなく、好中球が血管炎症を惹起することを明らかにした。しかし、好中球が動脈硬化化症に対してどのように作用するのか明らかになっていない。申請者らは好中球の活性化が亢進することにより好中球細胞外トラップ(NETs)を起こし、血管内膜への接着が強固となり慢性炎症を惹起することで動脈硬化巣形成を誘導するのではないかと仮説を立てた。そこで、脂質異常症モデルマウスを使ってNETsが動脈硬化症に関与することを検証し、その機序の解明を行う。
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研究成果の概要 |
好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular trap; NET)は好中球の活性化によって起こるが、その形成過程で起こる好中球ヒストンタンパクのシトルリン化が動脈硬化症モデルマウスであるLDL受容体欠損マウスに対する高脂肪食摂取によって認められ、それは血中CXCL1の上昇による好中球に発現するβインテグリンの活性化によって起こることが分かった。さらに、活性化した好中球ではCCL2の発現と分泌が増加し、単球遊走を誘導した。これらの結果からNETは動脈硬化症の発症や進展に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでは動脈硬化症における血管炎症反応における単球・マクロファージの重要性が言われてきたが、本研究では好中球が重要な役割を果たしていることを明らかにした点に新規性がある。さらに、好中球ヒストンシトルリン化の制御は動脈硬化症における新しい治療ターゲットとしての可能性が示唆され、動脈硬化症に対する今後の創薬や予防に役立つものと考えられる。
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