研究課題/領域番号 |
19K08518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古賀 純一郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10746142)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マクロファージ / 心筋梗塞後リモデリング / ミトコンドリアダイナミクス / マイトファジー / 心筋梗塞 / 左室リモデリング / 線維化 / 循環器内科学 / 心筋虚血再灌流障害 / 急性心筋梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「マクロファージDrp1は炎症性マクロファージへの分化誘導を通じ心筋虚血再灌流傷害、梗塞後左室リモデリングを促進する」との仮説を検証することである。この目的を達成するため、マクロファージDrp1欠損マウスを用い、心筋虚血再灌流傷害、梗塞後リモデリングの病態におけるマクロファージDrp1の生体内における役割について明らかにする。以上を通じ、マクロファージDrp1の役割が明らかになれば、これまでとは全く異なる概念の抗炎症治療法を提唱することが可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究ではマクロファージ特異的Drp1(dynamin-related protein 1)欠損マウスを用い、心筋梗塞の病態におけるミトコンドリア分裂誘導タンパクDrp1が果たす役割を検討した。本マウスに左冠動脈前下行枝領域の虚血-再灌流を行ったところ対照マウスと比べ梗塞サイズの明らかな減少は認めなかった。一方、完全閉塞モデルでは慢性期の左室拡大、駆出率低下を認めた。また、培養マクロファージではDrp1機能阻害によりマイトファジーが抑制された。これら結果はミトコンドリア分裂阻害によりミトコンドリア品質維持機構が障害され炎症の遷延、左室リモデリング増悪が生じる可能性を示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりこれまで不明であったマクロファージDrp1が急性心筋梗塞の病態において果たす役割が明らかとなった。心筋梗塞後の左室リモデリングは慢性期に繰り返す心不全の原因となり患者の生活の質(quality of life)、生命予後に及ぼす影響も大きく、その分子メカニズム解明と新規予防法、治療法の開発が求められている。本研究の成果はミトコンドリアダイナミクスへの介入を通じた新規治療開発に向けた第一歩となりうるが、ミトコンドリアは細胞内において多様な機能を担っており、副作用の少ない治療開発のためにはさらなる分子メカニズムの解明と適切な標的分子の選択が必要である。
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