研究課題/領域番号 |
19K08521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
鶴田 敏博 宮崎大学, 医学部, 教授 (10389570)
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研究分担者 |
畠山 金太 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60325735)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90372797)
澤口 朗 宮崎大学, 医学部, 教授 (30336292)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 動脈瘤 / 骨代謝因子 / 加齢 / 大動脈 / 大動脈破裂 / アンジオテンシン / 大動脈解離 / 平滑筋細胞 / オステオプロテゲリン / 大動脈瘤化 / 細胞外マトリックス代謝調整 |
研究開始時の研究の概要 |
オステオプロテゲリン(osteoprotegerin, OPG)の細胞外マトリックス代謝調節に着目して、大動脈瘤化の分子機序を探る。OPGはRANKL(receptor activator of NF-kappa B ligand)による破骨細胞への分化調節因子であるが、心血管組織にも発現しその血中濃度は大動脈瘤の重症度に伴い上昇する。本研究では、OPG遺伝子欠損マウスの大動脈、および手術中に採取したヒト腹部大動脈壁を用いて、大動脈瘤化におけるOPGの病態生理学的役割を解明する。OPGの未知の生物学作用を解明して、大動脈瘤の治療薬創出の開発基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究は、骨粗しょう症と大動脈瘤の発症に共通の分子基盤があると考え、骨代謝因子から大動脈瘤の内科的治療法を模索する、分野横断的な研究であった。ヒト腹部大動脈瘤中膜におけるオステオプロテゲリン発現レベルの低下を認めたため、遺伝的に同分子が欠損するマウスを用いて動脈瘤モデルの作成を試みた。同マウスは対照群と比較して破裂死する個体が多くみられ、大動脈中膜・外膜壁厚が薄く、エラスチン線維の断裂が観察された。希少疾患である「若年性パージェット病」の血管病変から大動脈瘤化の分子機序を解明したが、これらの得られた情報が高齢者に多い大動脈瘤の診断や治療へ応用することできるかが今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨と血管をつなぐ病態研究が精力的に行われている。オステオプロテゲリン(OPG)遺伝子の欠損(機能低下)は若年性パージェット病の原因遺伝子であるが、OPGは骨リモデリングの中心的な担い手であり、骨粗しょう症や慢性関節リウマチなどの骨疾患に関与する。さらに、がん、免疫、代謝にも影響することが明らかにされつつある。本研究では大動脈瘤化におけるOPGの役割を明らかにして、骨と血管の両者の機能を増強させ得る新規の治療法を模索し、健康長寿期間の延伸を目指す基盤研究である。
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