研究課題/領域番号 |
19K08522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 達也 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40592473)
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研究分担者 |
矢野 俊之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40444913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 鉄代謝 / ミトコンドリア / 心筋症 / 慢性腎不全 / 心筋ミトコンドリア / 鉄欠乏 / 心不全 / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
心不全は貧血や鉄欠乏を合併しやすく、その合併は予後不良に繋がるが、鉄欠乏に対する治療法は確立されていない。この理由の1つとして、そもそも鉄欠乏による心機能障害の分子機構が解明されていないことが挙げられる。研究代表者は、最近、mRNA結合蛋白tristetraprolin(TTP)が細胞内鉄欠乏により活性化され、ミトコンドリア鉄含有蛋白を適切に制御することにより、鉄欠乏に対して応答する機構を明らかにした。本研究では、不全心筋のミトコンドリア鉄欠乏に対する反応性の低下が心機能障害やミトコンドリア機能障害に寄与すると仮説を立て、その機序を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
全身性の鉄欠乏は心腎血管疾患の予後不良因子であるが、その機序は不明である。本研究課題では全身性の鉄欠乏を伴う不全心モデルである腎亜全摘ラット(SNx)を用いて、心筋ミトコンドリアの鉄代謝異常の役割に着目した。全身の鉄欠乏とは対照的に、心筋ミトコンドリアのヘム鉄の量はSNxでむしろ増加し、酸化ストレスが亢進していた。この機序として、低酸素刺激で活性化されうるミトコンドリアのヘム合成経路の律速酵素ALAS2の発現増加およびFenton反応による活性酸素種の産生増加が示唆された。以上より、不全心では鉄欠乏に対する心筋ミトコンドリア応答性が障害され、細胞死や心機能障害と関連する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果より、不全心では鉄欠乏にも関わらず心筋ミトコンドリアではむしろヘム鉄が増加する可能性が示唆された。全身性特に血清の鉄欠乏は必ずしも心筋ミトコンドリア鉄欠乏を反映しない可能性があることから、鉄補充の際には組織鉄過剰に注意が必要であること、またミトコンドリア鉄代謝異常は心不全の新規治療標的となりうることが示唆された。
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