研究課題/領域番号 |
19K08524
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
藤本 進一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70385871)
|
研究分担者 |
中原 健裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (00599540)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 血管内放射線検出カテーテル / 不安定プラーク / 心臓核医学 / 分子イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
急性冠症候群は前兆なく発症し、突然死の6割がこれら心疾患に起因する。その発症予防への解決の糸口として、前駆病変である「脆弱プラーク」を事前に同定することが重要であるが、現在臨床の現場に普及している画像診断ツールでは予測評価の確立には至っていない。そのため核医学的手法を用いてプラークの脆弱化の主因である炎症に対する分子プロセスの評価が可能な冠動脈血管内カテーテルを開発した。本法を臨床使用可能にするためにファントム実験や動物実験で有用性を証明し、プラークの脆弱化に対する分子イメージングの特徴を有した新しい画像診断法の臨床使用に向けた基盤知見とする。
|
研究実績の概要 |
令和4年度は引き続き動脈硬化モデルウサギに18F-FDGを投与し大動脈の動脈硬化病変に集積した18F-FDGの取り込みをカテーテルで検出可能か評価した。前年度の実験で大動脈ヘのカテーテル挿入での測定時にカテーテル損傷が起こったことにより,今回はex vivoによる評価をメインとして実験を行った。生後12週のニュージーランド白色家兎の大動脈にバルーン障害を加えた後、1%コレステロール食を2か月与え動脈硬化モデルを作成した。その後30MBqの18F-FDGを投与し、2時間後にヘパリン投与下でカテーテルを大動脈に挿入し、1か所1分測定し1cmずつ用手で pull backを行い放射線の取り込みを評価した。最後にオートラジオグラフィーを行った後、1cmごとに切断しγcountingをした。合計6羽に実験を行いカテーテルは通常のものと、血管のプラーク形成方向も同定できる左右それぞれにシード付きのカテーテルの計3本で計測した。6羽の65切片でγ countingによる%ID/gとカテーテルによるカウントの相関を評価したところ通常のカテーテルは相関係数r=0.60、シールド付カテーテルは右シールド、左シールド:r=0.63、r=0.45という結果であった。シールドの位置による相関係数違いは病理所見を含めて今後評価する。またオートラジオグラフィーとex vivoにおける1cmごとのカテーテル測定によるカウントも同じような傾向を認めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究期間中COVID-19の感染拡大により動物の飼育や実験準備が中断したことに加え、飼育棚が故障したことやin vivoにおいて大動脈ヘのカテーテル挿入での測定時にカテーテル損傷が起こったことにより実験の進行は当初の予定よりかなり遅れているが、今年度は6羽の動脈硬化モデルウサギで実験を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究最終年度であるためあと2羽の動脈硬化モデルウサギで実験を行った後、動脈硬化病変に集積した18F-FDGの取り込みに対するカテーテルでの検出能を評価し、その有用性を確立する。その取り込みとオートラジオグラフィーやγ countingによる%ID/gとの相関やHE染色、CD 68 染色、RAM-11染色、Von-kosssa染色といった病理所見との関連を評価する。特にシールド付カテーテルではシールドの位置でγ countingによる%ID/gとカテーテルによるカウントの相関に違いが認められたため、この理由について病理学的見地からも解明を行う。
|