研究課題/領域番号 |
19K08527
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
八木 敬子 神戸薬科大学, 薬学部, 研究員 (00309436)
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研究分担者 |
江本 憲昭 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30294218)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 血管糖鎖 / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖は複数の単糖が結合して構成されている。単糖は複数の結合部位を持つため、様々な構造をとる。また、単糖は糖以外の物質とも結合し得、他の物質と結合して糖鎖を構成する際、様々な結合様式をとり、相互作用をもつ。また、細胞により、同じ糖鎖であっても異なる構造をとったり、細胞の代謝や栄養状態や微小環境によっても様々に修飾される。このように複雑で変化に富む糖鎖を対象とした研究は非常に難しいとされる。特に、生体内での糖鎖の修飾の組み合わせを解読する方法は未だ開発されていない。申請者は、血管の糖鎖合成酵素を制御することで動脈硬化の治療応用を目指しており、他の研究とは一線を画す。
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研究成果の概要 |
動脈硬化の発症・進展仮説の一つとしてLDL(低密度リポ蛋白)コレステロールの血管壁への貯留に血管壁のコンドロイチン硫酸鎖が関わるとする「貯留反応説」があるが、その詳細は不詳である。 今回、糖鎖の長さを調節するChGn-2の遺伝子欠損マウスを用いて動脈硬化モデルを作成・解析した。このマウスでは血中LDLコレステロール値が高いにもかかわらず、動脈硬化症の発症・進展が抑制されていた。そのメカニズムとして、血中LDLコレステロール値が上昇すると血管壁に存在するマクロファージでChGn-2の発現量が増加し、糖鎖が長くなることでLDLコレステロールの細胞内への取り込みが増加することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会を迎えたわが国では健康長寿を達成することが重要であり、そのためには生活の質を落とす原因である脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患の発症を抑制することが重要である。今回の研究成果は、血管のコンドロイチン硫酸鎖やその長さを調節するChGn-2が動脈硬化症の発症・進展予防のための診断や治療のターゲットになる可能性を示唆するものである。将来的には、高血圧、糖尿病や脂質異常症といった疾患の有無に関わらず、動脈硬化症の発症を予防できる、コンドロイチン硫酸鎖を標的とした治療の確立に向けての研究の発展が期待される。
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