研究課題
基盤研究(C)
従来の冠攣縮機序解明を目的とした研究は、血管平滑筋細胞内カルシウムイオン濃度上昇の亢進に基づき進められてきた。しかし最近我々は、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を伴わない新たな機序を見出した。本研究では冠攣縮の新しい機序としてのカルシウム感受性亢進の関与を、その中心となるカルモジュリンキナーゼII との関連において明らかにする。さらにカルシウム感受性亢進を抑制するとされるカルベジロールの冠攣縮抑制効果を検討し、動物実験ならびにiPS細胞技術を用いてその機序を明らかにする。本研究によりカルシウム拮抗薬治療抵抗性の難治性冠攣縮性狭心症の機序解明ならびにその治療法開発への応用が期待される。
本研究では冠攣縮性狭心症動物モデルにおいて、カルシウム拮抗薬であるジルチアゼムならびにβ遮断薬であるカルベジロールの冠攣縮抑制効果を明らかにした。さらに細胞培養実験においてその分子機序について検討し、冠攣縮に関与している新たな分子を同定した。本研究は冠攣縮性狭心症の新たな機序解明のみならず、難治性冠攣縮性狭心症の新規治療法の開発にも寄与する可能性があり、今後の応用が期待される。
冠攣縮は異型狭心症のみでなく、一部の労作狭心症や急性心筋梗塞症、突然死の病態にも関与する。冠攣縮性狭心症の治療薬としてカルシウム拮抗薬が用いられているものの、カルシウム拮抗薬抵抗性の難治性冠攣縮性狭心症患者も少なくなく、治療に難渋する場合も多い。本研究により冠攣縮性狭心症の新しい機序解明のみならず、カルシウム拮抗薬治療抵抗性の難治性冠攣縮性狭心症の機序解明ならびにその治療法開発への応用が期待される。
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