研究課題/領域番号 |
19K08539
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 香織 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 特定研究員 (50503653)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | ヒト胚性幹細胞 / X染色体不活化 / ナイーブ型 / 細胞分化 / 心筋細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
個体発生の初期に2本のX染色体のうち1本が不活性されるX染色体不活化(XCI)は、哺乳類の雌がもつ重要な生命維持機構のひとつである。XCI機構の破綻は正常発生の妨げとなるため、初期胚から樹立されたヒト胚性幹(ES)細胞やその分化細胞において厳密なXCI制御は重要である。最近、試験管内で培養したヒトES細胞において、生体と異なるXCI表現型や分化誘導時の非典型的なXCIが明らかとなり、その影響が懸念されている。本研究では、生体型もしくは非典型的なXCI制御機構をもつヒトES細胞を用いた心筋分化誘導過程の比較解析を通して、非典型的なXCIが心筋細胞分化に及ぼす影響を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、ヒト胚性幹(ES)細胞で認められる非典型的なX染色体の不活化(XCI)が細胞分化にあたえる影響を調べることを目的とした。2019年度は、「生体型XCI機構をもつヒトES細胞を樹立」するために、ナイーブ型ヒトES細胞を樹立し、通常のヒトES細胞とあわせて、そのXCI動態評価に取り組んだ。その結果として、通常のヒトES細胞は生体型とは異なる非典型的なXCIをもつことを明らかにした。具体的には、2本のX染色体のうち1本のX染色体では、一部の領域で再活性化していた。一方で、この細胞をGSK3インヒビター、MEK-ERKシグナルインヒビター、PKCインヒビターおよびLIF存在下で培養し、ナイーブ型へと誘導すると、X染色体は2本ともに活性化されることがわかった。これは、ナイーブ型への誘導がX染色体を活性化するという既存の論文結果と一致する。また、申請者は、核内受容体として知られているX遺伝子を過剰発現させた細胞においても、X染色体の活性化状態を調べたが、過剰発現株では、先に述べた各シグナルのインヒビターを加えない培養条件下でも、不活性型X染色体が活性化されることをつきとめた。これらの結果は、ヒトES細胞においてXCIを人工的に解除できることを示している。本研究は、申請者の退職により2019年度の時点で廃止とした。
|