研究課題/領域番号 |
19K08541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大谷 規彰 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60380408)
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研究分担者 |
久保 真 九州大学, 大学病院, 講師 (60403961)
山下 奈真 九州大学, 大学病院, 助教 (60608967)
秋吉 清百合 九州大学, 大学病院, 助教 (50567360)
筒井 裕之 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264017)
井手 友美 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90380625)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | トラスツズマブ / 心毒性 / ゲノム変異 / 挿入欠失配列 / 一塩基多様性 / 予測因子 / 遺伝子多型 / コピー数多型 / ゲノム遺伝子 / ゲノム / 循環器内科学 |
研究開始時の研究の概要 |
分子標的薬トラスツズマブは難治性乳がん患者の生命予後を著明に改善したが、一方でその副作用である心毒性が予後改善効果を減弱させているという問題がある。トラスツズマブ誘発心毒性の発症には遺伝因子が関与している可能性があるが、本研究は、個人間で遺伝子コピー数の差異を認めるコピー数多型がトラスツズマブ誘発心毒性発症に寄与しているかどうかを明らかにする。コピー数多型の下流遺伝子発現、機能への影響を検証することにより、トラスツズマブ誘発心毒性に関与する遺伝因子の解明や心毒性発症リスクの同定により、個々のがんに対し、適切な薬剤選択や予防治療を行うテーラーメイド治療を実現することに貢献できると考えられる。
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研究成果の概要 |
トラスツズマブ誘発心毒性発症21症例と未発症21症例の全エクソーム解析及び新規変異の同定を行った。その結果、心毒性発症群で検出され、未発症群で検出されない塩基配列変化箇所として234個の挿入欠失配列(InsertionおよびDeletion:InDel)、3,085個の一塩基多様性(Single Nucleotide Variation: SNV)が検出された。その中でTRIM7遺伝子座における変異 (exon5:c.684_685insTTT:p.F229delinsFF) は統計学的有意差が認められ、トラスツズマブ心毒性発症原因変異候補の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では本邦独自のトラスツズマブ誘発心毒性の臨床像及び実態を明らかにした。厳格な基準を満たしたトラスツズマブ誘発心毒性発症群と未発症群での差異から、新規原因候補遺伝子、新規塩基配列変化を同定することができた。今回の候補変異が病態に及ぼす意義を解明するには、更なる症例の集積およびin vitroアッセイ系での解析が必要である。今後の更なる検討により、心毒性を回避し、より安全なトラスツズマブ治療の提供に結びつくことが期待される。
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