研究課題
基盤研究(C)
申請者らは、細胞増殖及び成長のmaster regulatorとして知られている哺乳類ラパマイシン標的蛋白質複合体1 (mTORC1) の恒常的活性化が心不全発症及び増悪に関係していることを報告した。さらに、mTORC1の恒常的活性化がプログラム細胞死の一つであるネクロプトーシスを誘導することを解明した。本研究では、“mTORC1恒常的活性化とネクロプトーシスの分子機構連関”及び“心不全の病態形成におけるネクロプトーシスの役割”を明らかにする。
動物実験では,プログラム細胞死の一種であるネクロプトーシスが心不全の病態形成に関与することが示唆されている.心筋生検を施行された拡張型心筋症57例を対象とした.ネクロプトーシス活性化の指標として,生検標本の免疫染色により解析したリン酸化MLKL(p-MLKL)の発現量を用いた. p-MLKL発現量の中央値を用いて,発現量高値群と低値群に分類した.全死亡および心不全・心室性不整脈による再入院をイベントと定義した.中央値3.6年の観察期間における無イベント生存率は,核p-MLKL高値群では低値群と比較して有意に低値であり.核でのリン酸化MLKL発現増加は,拡張型心筋症症例の予後不良と関連していた.
癌治療においては発現している分子や遺伝子をガイドに分子標的治療が行われ、一定の成果をあげている。心不全においても動物実験レベルでは様々な分子標的が想定されているが臨床応用されておらず、症状や心不全進行の程度に応じた薬物治療が今なお主体となっている。本研究は申請者による“心不全のテーラーメイド治療プロジェクト”の一環であり、心筋生検組織からリン酸化MLKL亢進群を抽出し、分子標的治療を行うことが最終目標である。心不全に対する分子標的治療の最初の一歩となり、今後の波及効果にも期待を持てるプロジェクトになると考えている。
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