研究課題/領域番号 |
19K08552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小板橋 紀通 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10420093)
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研究分担者 |
倉林 正彦 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (00215047)
山本 正道 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任部長 (70423150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エナジェティクス / 心臓生理学 / ミトコンドリア / 循環器・高血圧 / 生体分子 / 可視化 / 生理学 / 応用動物 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓は、生命の続く限り全身の臓器に血液を送り続ける機械的仕事を続ける臓器であり、絶え間ないエネルギーを必要とする。アデノシン三リン酸 (ATP) はミトコンドリアで作らせる細胞のエネルギーそのものである。動き続ける心臓で、ATPがどのように産生消費されているのか、リアルタイムでモニターすることは不可能であった。我々は遺伝子改変技術を用いて、細胞内およびミトコンドリア内のATP濃度をモニターできるマウスの作製に、世界で始めて成功した。このマウスを用いて、高血圧や心筋梗塞などの心臓病、強心薬や心臓病治療薬によるATPの変化を観察し、病態解明や新たな創薬につなげる研究を行う。
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研究成果の概要 |
常に動き続ける心臓のエネルギー代謝をリアルタイムにモニターすることはこれまで不可能であった. 我々はFRET蛋白質を利用してATP変動を生体で可視化できるマウスを開発した. またATPを産生するミトコンドリア特異的ATP可視化マウスも作製した.この両者のATP可視化マウスを用い, 拍動状態の心臓において, ATPの産生と消費, 蓄積と枯渇が, 可視化でき, 新たな創薬につながる可能性がある. 心毒性のある薬剤で有意に心臓ATP低下を認めた. 糖尿病モデルにおいて、有意に心臓ミトコンドリアATPの低下があり、糖尿病性心筋症のメカニズムとしてミトコンドリアにおけるATP 生能の低下が考えられた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会を迎え、心不全患者が加速度的に増加している。循環器病およびその最終病態ともいえる心不全に対する病態解明と治療法の開発は、健康寿命を保つための喫緊のかっだいである。拍動しつづける心臓はエネルギーを持続的に必要とし, 細胞の基本的なエネルギー基質であるアデノシン三リン酸(ATP) をもっとも多く必要とする臓器である. 常に動き続ける心臓のエネルギー代謝をリアルタイムにモニターすることはこれまで不可能であった. 我々が開発したATP可視化マウスモデルは、心臓生理学に新たな知見をもたらしうる、画期的な技術である。
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