研究課題/領域番号 |
19K08559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
樋口 義洋 九州大学, 大学病院, 講師 (40404032)
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研究分担者 |
新留 琢郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (20264210)
得能 智武 九州大学, 大学病院, 助教 (50567378)
堀内 孝彦 九州大学, 大学病院, 教授 (90219212)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ジスルフィラム / 心不全 / ナノテクノロジー / トランスジェニックマウス / 金ナノ粒子 / ドラッグリポジショニング |
研究開始時の研究の概要 |
抗酒癖剤であるジスルフィラム(以下DSF)内包ポリ乳酸-グリコール酸共重合体ナノ粒子(DSF-PLGA)が抗炎症作用を発揮することから、本研究では心筋特異的にTNF-αを過剰発現させた炎症性心筋症による心不全マウスを用いてDSF-PLGAが心筋炎症を抑制して心機能を回復させるかを研究する。本実験で使用する心筋特異的にTNF-αを過剰発現させた炎症性心筋症による心不全マウスは慢性心筋炎モデルであり、より実臨床に近い心不全モデルマウスであることから有用性が高い。使用する薬剤やナノ粒子も実臨床で使用されているものであるため、これまでの基礎研究と違いより臨床応用可能性が高い研究と位置づけられる。
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研究実績の概要 |
【ジルルフィラム(DSF)内包ポリ乳酸-グリコール酸共重合体ナノ粒子(DSF-PLGA)の心不全マウスへの投与実験】使用動物:TNF-α過剰発現トランスジェニックマウス5匹、コントロールマウス5匹投与投与日数:尾静脈投与隔日5回方法:投与終了後、心筋全重量と体重比測定(mg心筋/g体重:VW/BW)、心筋サイトカイン定量(ELISA) 実験の結果:心筋中のTNF-αとIL-1-βがコントロールに比較し有意上昇(P<0.05)、IL-4有意差なし(P=0.66)。心不全マウスのコントロールに比べ心臓肥大指標の心筋体重比(mg心筋/g体重:VW/BW)には有意差なし(P=0.43) 。考察:DSF-PLGAが心不全心筋に障害性に働いた可能性がある。本実験で使用したナノ粒子製剤が心筋に到達し薬理作用を発揮するかを、免疫抑制剤であるシロリムスを同様な方法でナノ粒子と結合させて実験した。その結果次のような結果が得られた。使用薬剤:シロリムス(SRL)内包ポリ乳酸-グリコール酸共重合体ナノ粒子(SRL-PLGA)実験の結果:心不全マウスの心肥大が有意に抑制(P<0.05)。炎症性サイトカインである心筋内のTNF-αとIL-1-βには有意差なし(P<0.05)。考察:免疫抑制剤であるシロリムスナノ粒子製剤(SRL-PLGA)では心肥大が有意に抑制されたが心筋内炎症性サイトカインの変化は認められなかった。したがって本実験で使用したナノ粒子製剤は心筋に到達し薬理作用を発揮することが示唆された。 総括:DSF-PLGAでは心肥大抑制作用は認められず、かえって心筋の炎症性サイトカイン量を増加させたことからDSF-PLGAの心筋炎症抑制作用は明らかにできなかった。今後は心肥大抑制作用のあるSRL-PLGAを用いて心不全治療薬としての効果を検討する予定である。
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