研究課題/領域番号 |
19K08561
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
荒木 智 熊本大学, 地域医療・総合診療実践学寄付講座, 特任准教授 (20706717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | sirt7 / 心筋虚血再灌流障害 / 心筋梗塞 / 酸化ストレス / Sirt7 / 虚血再灌流障害 |
研究開始時の研究の概要 |
長寿遺伝子として発見されたサーチュイン蛋白の一つであるSirt7はNAD依存性にヒストンや転写因子を脱アセチル化することで、癌の進展や脂肪代謝を制御している。申請者は近年、Sirt7の欠如はTGFβ受容体の減少を介して心臓の線維化を抑制することを報告しているが、虚血再灌流障害におけるSirt7の役割はいまだ不明である。本申請では老化の観点から虚血再灌流障害のメカニズムを再評価し、新たな治療ターゲットとしてのSirt7の可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
心筋虚血再灌流障害は有効な治療法がなく新たな開発が喫緊の課題である。申請者は心筋虚血再灌流障害時にSirt7が減少することに注目し、Sirt7が心筋虚血再灌流障害に与える影響を検証した。Sirt7ノックスアウトマウスでは心筋虚血再灌流障害が抑制されており、sirt7の抑制が心筋虚血再灌流障害に保護的に働くことを見出した。in vitroの検討ではSirt7がMafGを脱アセチル化することにより、NRF2の活性を抑制することでHO-1やNQO-1などの抗酸化物質の産生を抑制することを見出した。 本研究によりSirt7は虚血再灌流障害の新たな治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢関連疾患である心筋梗塞の急性期死亡率は、早期の再灌流療法や集中治療室での管理により年々低下傾向である。しかし冠動脈の血流再開時に引き起こされる虚血再灌流障害に対する有効な治療法がないため、その後に心不全を発症する患者が増加しており新たな虚血再灌流療法の開発が喫緊の課題である。本申請では心筋虚血再灌流障害においてSirt7の欠如はMafGを介したNRF2の転写活性を更新することにより、酸化ストレス抑制因子を増加させることを見出した。この結果は、心筋虚血再灌流障害においてSirt7が新たな治療ターゲットとなりうる可能性を示唆するものである。
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