研究課題/領域番号 |
19K08569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
尾村 誠一 近畿大学, 医学部, 講師 (80462480)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ウイルス性心筋炎 / バイオマーカー / 腸内細菌叢 / トランスクリプトーム / 血小板 / 免疫グロブリンA / タイラーウイルス感染 / 心筋炎 / クルクミン化合物 / 実験的自己免疫性脳脊髄炎 / マイクロバイオーム / バイオインフォマティクス / マウスモデル / RNAシーケンシング |
研究開始時の研究の概要 |
心筋炎は剖検例の約1割とも報告される突然死の有力原因疾患である。ウイルス感染が主な起因であり、進行は3病期に分けられるが、病原ウイルスと病期により治療法が異なる。そのため判別マーカー、特に患者の負担が少ない血中代替マーカーが求められている。また病期進行は症例毎に異なり、この違いはウイルス側と宿主側の要因により生じる。我々が確立したウイルス性心筋炎モデルはマウス系統により病期進行が異なり、その心筋・血液の網羅的遺伝子発現データを用いてバイオインフォマティクス解析を行うことにより、病期判別可能な血中代替マーカーと病期進行を左右する因子を明らかにし、病期進行を食い止める治療法の開発に繋げたい。
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研究成果の概要 |
新規のウイルス性心筋炎モデルであるタイラーウイルス感染マウスを用いた本研究により、低侵襲性のバイオマーカーとなりうる分子を血液中および糞便中において同定した。血液中では、心筋トランスクリプトームデータとのパターンマッチングにより、Xaf1やOasl2などの自然免疫関連遺伝子が見出された。糞便中でも様々な腸内細菌量に変化が見られ、中枢神経系内の炎症性疾患における遺伝子発現変化との相関が見られた。特にCoprococcusはIgAとの相関が検出された。今後、タイラーウイルス感染モデルにおけるIgAおよび血小板の役割について、研究を展開していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の遂行により、ウイルス性心筋炎診断に寄与する新規のバイオマーカーとなりうる分子を同定した。また、炎症性疾患において血小板関連遺伝子の発現量増加や中枢神経系におけるIgA遺伝子の増加など、これまでほとんど研究されてこなかった分子の重要性が示唆された。今後、炎症性疾患におけるこれらの分子の役割について、更なる研究を展開していく。本研究により、ウイルス性心筋炎の病期診断において、より正確かつ患者に負担の少ない低侵襲性の診断方法が確立され、より適切な治療の適用が可能となることが期待できる。
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