研究課題
基盤研究(C)
研究代表者らは培養心筋細胞において低酸素刺激によって発現誘導され、酸化的リン酸化を正に調節する因子としてG0s2を同定した。G0s2はin vivoにおいてもATP産生増強を示したことから、本研究課題ではG0s2をターゲットとしたエネルギー代謝改善による創薬開発に向けて、MRIを用いた生体内エネルギー代謝イメージング法の開発と前臨床試験におけるin vivo POC獲得を目的とする。
本研究では、1)新しい代謝イメージング法の確立、2)ATP産生増加により心不全を改善させる治療戦略の概念実証、3)エネルギー代謝に基づく心不全層別化を目標とした。MRIを用いてクレアチン(Cr)のイメージングを確立した。Crが豊富な骨格筋、精巣での画像化を行ったが、今後心臓でのイメージングに繋がる技術開発である。また、ミトコンドリアでのATP産生を増強させる分子G0s2に着目し、G0s2強制発現させたゼブラフィッシュが、低酸素下においてもATP産生を保持することで心機能を維持することを示した。最後に心臓核医学検査によりミトコンドリア機能を評価し、心筋症の治療反応性予測に有用であることを示した。
心臓はエネルギーを大量に消費する臓器であり、エネルギー不足は心機能低下、つまり心不全に繋がると考えられる。本研究では、エネルギー状態の評価方法、エネルギー状態を改善させる治療法の有用性検証、そしてエネルギー状態が予後に与える影響について研究を行った。心不全の原因はさまざまであり、個々の病態に基づいた個別化医療が求められるが、本研究で開発した画像による評価法は個別化医療へ向けた層別化に有用と期待される。またエネルギー状態を改善させることで心機能の改善を狙った新たな心不全治療薬の開発に繋がると期待される。
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